クイック&スピーディーに顧客ニーズを把握するオンライン 定性調査「Quick Interview by PIVOT」の活用事例
2024.9.11 (更新日 2024.9.25)
こんにちは、UXデザイナーの松浦です。
私は日々、多様なクライアントの新規事業開発や既存事業の改善、そしてそれに伴う調査業務に取り組んでいます。その中で、よく「顧客に対するインタビューや定性調査を実施したいが、コストや時間がネックで踏み切れない」「そもそも定性調査の進め方がわからない」といったクライアントの課題をお聞きします。
Quick Interview by PIVOT(クイック・インタビュー・バイ・ピボット、以下QIP)は、そんなクライアントの課題を解決するために開発した『オンライン顧客インタビュー/定性調査サービス』です。
この記事では、インタビュー/定性調査の重要性を理解した上で、QIPの調査プロセスやQIPがもたらす成果について詳しくご紹介します。
①インタビューで顧客行動の「なぜ?」を解明!
まずはじめに、「定性調査」と「定量調査」の違いはご存知でしょうか。
定量調査とは「収集した情報を数値として分析する手法」です。たとえば、あるサービスの利用率や課金率、リピート率などの数値データを明らかにし、全体の傾向を把握することができます。ただし、定量調査では質的な情報や数値にできないデータを扱うことが困難で、たとえば利用率の向上がわかっても、その背景や顧客の心理状態を把握することは難しいのが現状です。
これに対して、定性調査は「顧客の発言や行動を掘り下げて、その価値観や背景を深く理解する調査方法」です。例えば、「なぜそのように感じたのか」「なぜその行動に至ったのか」といった質問を通じて、顧客の生の声を収集<インタビュー>し、その発言の背後にある潜在的な意識や動機、背景を浮き彫りにします。定性調査は、顧客の実態をより深く把握するために非常に効果的です。
QIPでは、この定性調査の利点をオンラインで簡単に活用できるサービスであり、チャットによる※デプスインタビューを起点に、ユーザーニーズを理解するためのサービスです。
※デプスインタビュー:対象者と1対1で深く掘り下げて対話し、その人の価値観や動機、背景を詳細に理解するための定性調査手法
②QIPで事業課題のヒントをスピーディーに発見!
QIPの特長の一つは、調査の開始から完了までが非常にスピーディーなことです。ご相談をいただいてから、ヒアリング、調査設計、リサーチ、分析、レポーティングまで最短で2週間で実施可能です。
このスピードの秘密は、すべての調査がオンラインで完結することにあります。単に調査を実施して終わりではなく、さまざまな組織の新規事業開発や業務改善に取り組んできたプロフェッショナルが、一貫して調査を設計・実行することで、課題解決のヒントを発掘します。
③スピーディーながら「広範」かつ「詳細」な調査が可能!
実際にどのように調査を行うのか、そのプロセスをご紹介します。
上図の通り、本サービスよりスピーディー&クイック、しかし確実にユーザーの声を聴き取るための2つのステップに分かれています。
QIPでは、これら2つのステップを通じて、顧客像や顧客の行動を段階的に絞り込み、より深く掘り下げていきます。各ステップでは、それぞれ設問の設計、調査の実施、分析というサイクルを回します。最初のステップで調査対象や調査ポイントを精査し、次のステップでさらに深掘りすべき顧客像を導き出します。
STEP ①アンケート調査 &チャットインタビュー
STEP1では、オンラインアンケートとチャットインタビューを組み合わせた調査を実施します。まず、オンラインアンケートを通じて約100件の回答を収集し、利用体験の傾向や顧客の価値観を広く把握します。この段階では、年代、性別、居住地など多様な顧客層にアプローチし、どの顧客の行動や価値観をさらに深掘りするかを絞り込みます。その後、選定した顧客との1対1のチャットインタビューを行い、アンケートで得られた洞察を基に、「なぜそう思ったのか」「なぜその行動に至ったのか」といった背景や文脈を詳細に掘り下げます。これにより、よりリアルで深い理解が得られることを目指します。
STEP ② デプスインタビュー
STEP2ではさらに深堀って行くために、デプスインタビューを実施。STEP1だけでは掘り下げきれなかった顧客の行動や価値観についてさらに詳しく探ります。これは、STEP1の結果を補完する役割を果たします。ビデオ通話ツールを用いて、対象者と1対1で対話し、直接顔を合わせながらインタビューを進めます。この対話形式により、表情や声のトーン、身体の動きなどの非言語的な要素も観察することができます。
QIPは、スピーディーで確実な調査パッケージとして、異なる調査手法を組み合わせることで「広く」「深く」顧客理解を進めるサービスです。
④多角的な顧客分析を通じて顧客心理を深く理解する
QIPでは、調査結果を整理し、分かりやすいレポートとしてご提供します。定性調査は実施して終わりではなく、その結果を実際のビジネスに活かすことが重要です。レポートは、事業課題に対する洞察を提供するだけでなく、社内での共通理解を形成するためのコミュニケーションツールとしてもご利用いただけます。
QIPのレポートでは、標準的に4つの主要なアウトプットを提供しています。
- ペルソナシート(左上)
顧客像を具体的に可視化します。年代や性別などのデモグラフィック情報に加え、価値観やニーズも含めた詳細な顧客像を描き、組織内での共通理解を促進します。 - 価値マップ(右上)
顧客の行動や考え方を整理し、顧客自身が明確にしていない潜在的なニーズや課題を浮き彫りにします。これにより、商品開発やサービス改善に向けた具体的な方向性を見出すことができます。 - カスタマージャーニーマップ(左下)
顧客の体験を時間軸に沿って可視化し、製品やサービスの利用前後の行動や思考を整理します。顧客の視点を理解し、体験の質に影響を与える要因を特定することで、新たな施策の機会を発見する手助けをします。 - インサイト(右下)
調査結果全体から導き出されたインサイトをまとめたシートもご提供します。これは、顧客の心理や行動に影響を与える重要な情報を言語化したもので、全体的な洞察を得るためのものです。
これらの手法は、サービスデザインの代表的なアプローチであり、QIPでは、これらのアウトプットを効率的に作成するプロセスを整えています。
定性調査を通じて顧客の声を深く掘り下げ、整理・分析を行うことで、事業課題に対する有益な発見を提供します。様々な状況やビジネス領域において、顧客理解を深める第一歩として、本サービスをご活用いただければ幸いです。
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