クライアントの課題に、UXで応え続ける~PIVOT PM 座談会~

掛端 玲 Rei kakehata PR

2020.10.19 (更新日 2023.2.15)

こんにちは、PRの掛端です。

20周年の節目として、PIVOTは新たにこんなミッションを掲げました。

 

「真ん中に人がいるデジタルサービスをつくる」

 

さまざまなデジタルサービスが世に出る中で、そのサービスをつくり出すのも、そのサービスを使うのも「人」。 本当に使い勝手の良いプロダクトを生み出して行くためには何が必要なのか。

 

社長自らがファシリテーターとなって現場のメンバーに話を聞いてみよう!という企画、今回は第2弾です。

 

今回はプロジェクトマネージャー兼UXディレクターを務める、浜田さん。
ミッションをどうとらえ、現場の業務にどう落とし込んでいるのでしょうか。

 

 

宮嵜:では早速、肩書としてはPM/UXディレクターという事だけど、具体的に現場でどんな役割を担っていますか?

 

浜田:プロジェクトの提案、企画から、ユーザー体験の提案がメインです。

プロジェクトに入ると、クライアントとのファシリテーターを務めたり、UXをつくるためのプランニング、プロダクトの骨子などをつくることが多いですね。

 

開発全体のマイルストーンを決めることもあります。

 

宮嵜:ありがとう!では早速始めていきましょう。

 

人が真ん中にいるプロダクトをつくるには、まず「提供する側の顔」を見せること

 

宮嵜:「人が真ん中にいるプロダクトをつくる」というミッションを決めたけど、改めて振り返ってみて、浜田くんはどう受け止めましたか?

 

浜田:単純に言っちゃうと「とても難しいな」と思ってます。人中心の考え方って、人格とかターゲットの誰かを思い浮かべて、その人の行動に合わせた体験を考えますよね。

 

だけどプロジェクトが大きくなると、その分ステークホルダーが増える。提供者の意思を超えて、それぞれみんな行動も考え方も違うじゃないですか。

どこにプロダクトの顔つきとなる基準を持ってくるか、それを定義するのにいつも悩みます。

 

宮嵜:そうね。「人が真ん中」って言うのは簡単だけど、実際に表現するのは難しいよね。ユーザーだけでなく、そのプロダクトに関わる人がどうなっていくのか?という拡大視点を持つことが「ユーザーエクスペリエンス」につながるわけなので、どこに基準を持つかどうかは迷うところかもしれませんね。

 

浜田:ウェブサイトであれば、もともと向き先もシンプルだし、ステークホルダーも限られているので、まだターゲティングしやすいですよね。

だけど、新規事業を立ち上げようとなると、ゼロから検討が始まる。チャネルやターゲット、市場や導入タイミングなど検討する幅が広い。

 

宮嵜:うん。なおかつ事業としての方向性にもかかわってくる。

 

浜田:今担当している富裕層向けの案件でターゲット検討しているんですけど、富裕層の方も千差万別で、ひとくくりにできないんですよね。

 

いろんな方がいらっしゃるし、ひとりひとりの考えも違う。難しい、だけど、だからこそ人間中心の設計や企画って奥が深いし、面白いって思うんですよね。

 

宮嵜:最終的にさまざまある考え方をどうやって収束させて、合意形成に持っていくの?

 

浜田:コスメ好きの方をターゲットに持つ某メディアさんの案件だったんですが、プロジェクトを進めるにあたって、「単純にコスメ好きユーザーに情報を発信するよりも、そもそもわたしたちの会員は階層構造があって、ここのボリュームゾーンを盛り上げていきたい」っていうRFPがあったんですよ。

 

宮嵜:なるほど。

 

浜田:クライアントからの要望の中に明確な戦略がある場合、その戦略をふまえディテールを分解していってたり、サービスやユーザーの成長プロセスを深掘りながら形のすり合わせを行っていった形ですね。

 

宮嵜:つまりそれって、骨格ってことだね、事業の。

 

浜田:そうなんですよね。それで言うと、プロダクトには関わった人の「顔」が見えた方がいい、と思うんですよね

よく野菜販売とかで生産者の顔を出すじゃないですか。イメージはあんな感じ(笑)。

 

宮嵜:うんうん。ユーザーって知らず知らずのうちにお店とかプロダクトとかから醸される「雰囲気」で、自分に合う合わないって決めたりしています。だからこそ提供者側の「顔」、「人格」を持っておくことがより重要になってきますね。

 

浜田:開発中心になるとつい、そのあたりをすっ飛ばしちゃいがちなんですけど、実はプロダクトに人格を与えて、クライアントの人格そのものを際立たせることが重要なんですよね。

 

先に述べた某メディアでは、会員構造をいったん整理したうえで、それに伴うストーリーと機能、体験を時間軸で検討。そのあとクライアントが膨らませたいターゲットに対しての発信を強化し、結果的に、満足のいくプロダクトになりました。

 

事業の「顔」をつくることは、プロダクトの「人格」つくること

 

宮嵜:人を中心にするプロダクトとは紐解くと、「プロダクトの人格をつくる」ことだ、という話になったけど、いわばそれって事業の「顔」でもあるよね。

それをユーザーに正しく伝えるために、プロジェクトの中で大切にしてきたことってある?

 

浜田:僕は3つ、大切なことがあると思っていて。

1. クライアントとの信頼関係をしっかり築く

2. クライアントの想いに共感すること

3. クライアントが提案内容を理解できるよう手間を惜しまないこと

の3つですね。

 

宮嵜:なるほど。

 

浜田:どれも当たり前のことなんですけど。
信頼関係をしっかり築く、っていうのはプロジェクトのベースなんですよね。

というのも、プロジェクトを進めていくと最初の方はモチベーションが高いのに、信頼関係がないと予算がどうだ、とかそういう方に比重が傾いていってしまうんです。

クライアントの方に事業への熱量がないと、こちらで一から人格をつくるのは難しい。だからこそ、信頼関係は絶対条件なんです。

クライアントとコミュニケーションをしていない時も、バックアップ体制には常に注意していました。

 

宮嵜:ローンチまで、いかにモチベーションを保ってもらうか、っていうのがすごく大事だになってきますね。

 

浜田:はい。「どうしたら信頼を置いてもらえるか」というのは常に考えながら仕事をしていくべきだと思っています。

 

宮嵜:クライアントの想いに共感するっていうものモチベーションに繋がるところかも。

 

浜田:冒頭で、「人間中心にした場合、誰をターゲットにしていいかが曖昧になる」って話したんですけど、これって「共感」が働くと、クリアになるんですよ。

つまり、僕たちがクライアントの事業にかける想いやストーリーに共感できると、その先のターゲットとしているイメージがよりはっきりしてくるんですね。

 

宮嵜:それはすごくわかる。「自分たちの会社やサービスがこんなに素晴らしいんだ!」っていう背景には必ず理由があるからね。そこを聞くことで、納得できることは多分にある。

 

浜田:そうです、その「腹落ち感」こそ、持ってもらいたい!

プロダクトって、当たり前ですけどつくったら終わりじゃない。それを使ってどう事業を良くしていくか、っていうことの方がむしろ大事ですよね。

なので、こちらの提案内容をきちんと納得できる形で理解していただく、ことにも手間を惜しまないようにしています。プロダクトを使ってどうなっていくのか?という理解を契約前にどれだけ盛り込めるのかが、プロジェクトの成否を分けると思っています。

 

宮嵜:プロダクトをつくった後の「絵」をきちんとクライアントに見せるってことが大事ってことですね。

 

浜田:はい。そうでないと、「チャリンコしか運転できないのに、いきなりフェラーリを渡しても運転できないから!」って。そういう状態になってしまう。

 

宮嵜:あはは、 妙にわかる気がする(笑)

 

浜田:これって、僕らが意識しなくてはいけないんですよ。「クライアントはこれくらいは、わかってるだろう」って勝手に思い込んだ結果、ふたを開けてみたら使いこなせないものができあがっていた…。でもそれじゃ困るんですよね。

システムをいくら使い勝手よくつくったとしても、使う人間がマーケティングの知識がなかったり、データを活かすことにリテラシーがないと宝の持ち腐れになってしまう。

だからこそ、業務にフィットするシステムと、最高の顧客体験とは分けて考えないといけないって強く感じています。

そして何よりも、クライアントに使いこなしてもらうための設計、そして伴走は欠かせません。最終的には「自転車の補助輪を外しても、速く走れる!」ってクライアントに思ってもらいたいですから(笑)

 

宮嵜:プロセスにおいてクライアントが「実はこのシステムわからなくって…」「ここはどういう意味ですか?」って気軽に聞ける、そういう信頼関係が大切、ってことに戻っていくよね。

 

浜田:はい。だから会議だけにしばられるのではなく、クライアントに聞きたいことは聞く、とか、日常から細かな提案をするっていうのはすごく大事だと思いますね。

「こういうチャットツールがあるので、議論の闊達化しましょうよ」とか。

情報を出し合う、共有化することに関しては、やりすぎることはない。常に前のめりな姿勢は欠かせないと思いますね。

 

課題発見から解決まで任せられるスペシャリスト集団として

 

宮嵜:最後に、ますますデジタルの力でできる事、やるべきことが増えていく時代になっているわけだけど、今後僕らが仕事をしていくうえで大事なポイントってどこだと思っていますか?

 

浜田:実際、幅広い仕事が増えていると思うんですけど、微妙にやれると思っていてやれないという仕事が増えてきていると思っています。

 

宮嵜:任せてもらう案件の領域が増えている、ってことですね。

 

浜田:そうです。たとえばDXみたいな案件は、ユーザー体験をベースに考えるよりも、テック側のシステム導入といったコンサルティングスキルが、プロダクトマネージメントと同じくらい重要度を増してくると思っています。

さらに言えば、課題の発見から要件整理までを担える技術側の人間が、もっと必要になってくる。

 

宮嵜:それは、今後の課題だね。もはや個人のマインドセットの領域にもかかわってくるよね。

 

浜田:そうですね。そういう意味では思考の転換も必要なのかなって。

決められた予算や計画の中で忠実に実行する、だけじゃなくそもそもクライアントの課題に対して何が必要か?とか、あるべき論はこうなんだ、っていう仮説を提示できる力は、特にシステム開発におけるPLには重要かと。

ある意味、チームマネジメントよりもクライアントをリードする、そっちのスキルセットのほうが大切になってくると思っていて。ディレクション以上にファシリテーションが求められるのだと感じています。

 

宮嵜:「やるべきことを考える」のはデザイン領域だけど、課題に対して提案を出して、合意しながら進めていくのはコンサルティング的な発想が必要になってくるね。

 

浜田:はい、あとは提案を具現化するスピード感はやはり大切。そのあたりは一貫して評価してもらえていると感じています。

 

宮嵜:具現化した提案内容が、期待値を超えられているってことかな。

 

浜田:クライアントに対して、細かく丁寧なヒアリングした結果、気づきを与えられていると思うことも多くこれぞコミュニケーションの賜物、という場面もありますね。

コミュニケーションの質が低くなると、アウトプットの質が低くなるので、常にコミュニケーションの質を保つことは課題だと思います。

 

宮嵜:聞かれたことにだけ答えるのではなく、一回一回が「有意義だった」と思えるコミュニケーションを目指して行きたいですね。

気づきが得られる、ってクライアントに思ってもらえると、そこからまた一歩建設的な話になる。お互い、気づきを与え合えるっていうのは今後も継続していけるととても良い。

 

浜田:DX案件は今後ますます増えていくと思っています。僕らは、顧客の体験価値をベースに、データ活用をさせて、業務や社内インフラにどうフィードバックするか?までを描くことで、システム導入の必要性などが見えやすくなると思いますね。

それがひいては、仕事の領域を増やすことにつながるんじゃないでしょうか。

 

宮嵜:事業を振り返って、言語化するのもすごく大事なことだね!今日話していて、改めて思った。今日はありがとう!

 

 

PIVOTのUXを紐解く!という事でUXチーム版、PM版と2本立てての座談会企画でしたが、如何でしたでしょうか。つくるものはデジタルですが、その裏には地道なコミュニケーションの積み重ねが大事だなんて、PIVOTのつくるプロダクトはやはり「人」が真ん中なんだと納得!!

PIVOTの定義する「ユーザー」はプロジェクトに関わる全ての人たちです。

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