準備OK?いよいよ始まるCookie規制と日本が遅れている理由~WEBサイト制作で知っておきたいこと
2021.12.20 (更新日 2023.12.22)
こんにちは。PIVOTコラム編集部です。
突然ですが皆さん、こんなボタンを見たことはありませんか?
これは、Cookieを使用して良いかをサイト訪問者に確認するための同意ボタンです。
この同意ボタンですが、先の個人情報保護法改正に伴い、2022年4月以降Cookie情報を「個人を識別する情報」と紐付けて利用する場合は、サイト上に設置しなければならないとされています。なお、個人が識別できないデータについては、本人の同意は必須ではありません。
法律の施行まで期限が一年を切っている中、日本では大手企業の約7%しか対応できていないという調査結果があります。EUでは約89%、アメリカでは約38%の企業が対応しているのと比較すると、日本のCookie対応率は大幅に遅れていることがわかります。
本記事では、そもそもCookieとは何かという内容を踏まえつつ、法改正が行われた背景と、国内の対応が遅れている要因について解説していきたいと思います。
もくじ
Cookieとは?
Cookieを一言で言うと、ブラウザに一時的に保存される「閲覧者の情報」のことで、閲覧者がサイトを訪れた日時や入力した情報、I Pアドレスなど、サイトによってさまざまな情報が含まれています。
例えば、IDやパスワードを入力して一度ログインしたことのあるサイトに、しばらくしてからもう一度アクセスしても、再度IDとパスワードを入力せずともログインすることができますよね。
このように、 WEBのアクセスや操作を快適に行える背景には、Cookieの情報が深く関係しています。
「ファーストパーティーCookie」と「サードパーティーCookie」
Cookieには「ファーストパーティーCookie」と「サードパーティーCookie」の2種類が存在しており、ファーストパーティーCookieとは、訪問しているWEBサイトから直接発行されるCookieであるのに対し、サードパーティーCookieは、それ以外のサイトから発行されるCookieのことを指します。
ファーストパーティーCookieは、前述したIDとパスワードの例のように、1つのWEBサイトから個人の情報を取得するものであるのに対し、サードパーティーCookieは、複数のWEBサイトをまたいで使用されるという特徴から、追跡Cookieと呼ばれることもあります。
例えば、WEBショッピング中、サイトAで閲覧した商品が、サイトBで広告として表示される時がありますが、
「なぜ、自分が閲覧したことのある商品やサービスが、別のサイトで広告として表示されているのだろう?」と思った経験はないでしょうか。
このように、複数のサイトから個人情報を取得できるものがサードパーティーCookieです。
サードパーティーCookieを利用することで、企業側は、個人の情報に合わせた広告を打ち出すことができる反面、ユーザー側は、自分の情報が知らない場所で知らないうちに取得されているというリスクが発生しえます。その為、取り扱いには注意が必要となってくるわけです。
Cookie規制の背景と海外との比較
WEB上でマーケティング活動を行う企業にとって大きなメリットのあるサードパーティCookieですが、第三者でも情報を勝手に取得できてしまうという性質上、個人情報保護の観点から近年問題視されるようになっています。日本でも、2019年にCookieを利用し、某人材派遣会社の情報が第三者に販売され問題になったことがありました。それがきっかけとなり、2020年6月に個人情報保護法が改正され、2年後の2022年4月に全面施行が予定されています。
つまり、「Cookieを利用する場合、必ずユーザーに許可を取らなければならない」という法律ができたとも言い換えることができます。
これを海外の動きと比較してみると、米カリフォルニアでは2020年1月に消費者プライバシー法(CCPA)が施行。EUではなんと2018年5月時点でEUデータ一般保護規則(GDPR)が施行されていることから、Cookieに対する本格的な法規制が先んじて行われていることがわかります。
法規制の有無により、対応率に大きく差が生まれているという事であれば、施行後は国内の対応率も飛躍的な向上が期待できるかもしれませんね。
まとめ
普段何気なく押しているCookie同意ボタンですが、設置の背景には上述したような経緯がありました。
来年からいよいよ本格的な法規制が開始されるCookie同意取得。
法令遵守はもちろん大切ですが、あくまでユーザーファーストなサイトを構築するために、情報の利用先をきちんと明記し、利用者に不信感を抱かせないよう工夫をしていく事が、今後益々必要とされていくのではないでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事を通じ、少しでもCookie理解のお役に立てれば幸いです!
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