子どもの心をつかめ!学習コンテンツの開発秘話を公開 ~こどもちゃれんじ じゃんぷタッチ開発~
2023.8.04 (更新日 2024.6.13)
こんにちは!PIVOTのPR 大場です!
PIVOTでは、2020年から株式会社ベネッセコーポレーション様が年長さん向けに展開している学習コンテンツ「こどもちゃれんじ じゃんぷタッチ」の開発に携わらせていただいています。
プロジェクトの詳細はこちらからご覧いただけますが、携わったメンバーに当時の話を聞くと、学習コンテンツ開発ならではの工夫や発見、ビッグプロジェクトにまつわる苦労話が出るわ、出るわ……。そこで今回は、そんなじゃんぷタッチの開発秘話をご紹介します!
もくじ
開発期間1年半でも足りない?ビッグボリュームだった「じゃんぷタッチ」
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じゃんぷタッチプロジェクトは、当時社内でもたくさんのメンバーが関わっていましたよね。最初にお話をいただいてから、ローンチ迄どれくらいの期間だったんですか?
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小林
お話をいただいたのは2020年の秋で、ローンチは2022年の3月ですから、約1年半ですね。専属以外のメンバーを含めると、社内でも20名以上が関わっていたと思います。
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松浦
ベネッセさんとは2013年から「進研ゼミこどもちゃれんじ(小学生が対象)」のコンテンツ開発でご一緒させていただいていたので、「じゃんぷタッチ」のお話をいただいたときは、その実績を認めていただけたようで嬉しかったですね。
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ローンチまで1年半!まさにビッグプロジェクトですね!
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河村
まったく新規のプロジェクトだし、教材の量も膨大だから、私たちのなかでは、1年半でも全然余裕はなかったですね。
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松浦
学習系コンテンツは、毎年3月にお客様の元に確実にコンテンツを届ける、という絶対的な〆切があるからね。
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小林
ざっくりしたマイルストーンで言うと、最初の3か月~半年がベネッセさんと一緒にRFPを策定する期間。残りの1年が各開発ベンダーさんや学習コンテンツを量産する制作会社さんも加わって、要件定義と本開発、テストをする期間、という感じです。
学習コンテンツの肝は「世界観づくり」と「効率性」
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RFP策定にかなり多くの時間を割いたんですね。
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松浦
大きなプロジェクトでは、期間とコストに迫られてあきらめる部分が多くなってくるものですが、このプロジェクトではそれは絶対にしたくなかった。だから、要件定義や本開発に入る前に、RFP策定の段階で要件や懸念点をみっちり詰めて、あとから追加要件が出てくることがないようにしました。
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小林
RFP策定の段階で目指す方向性や思想がかなり明確になっていたから、いざ本開発に入ってからも、ベンダーさんや学習コンテンツの制作会社さんとのコミュニケーションでぶれることがなかったのは良かったですね。マルチベンダーで進めるプロジェクトでは、クライアント様を含めたメンバー全員が、目指すべき方向を共有できていることが必要だと改めて思いました。
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河村
私はベネッセさんのプロジェクトは今回が初めてだったこともあって、「RFP策定の段階で、こんなに細かく決めるの?」と最初は驚きました。後から考えれば、このとき細部まで詰めておいて本当によかったです。
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学習コンテンツならではのくふうや苦労した点はありますか?
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松浦
学習コンテンツの肝は「やりたいこと」と「効率性」の両立に尽きると思います。「やりたいこと」は、子どもの興味や好奇心を引き出したり、勉強しやすいと感じてもらえるUI・世界観・プラットフォームをつくること。
それと同時に、デジタル学習コンテンツはどうしてもたくさんの問題を作らなくてはならないので、効率的に質の高い問題を量産できる仕組みづくりがマストです。一問あたりにかかる時間やコストは、サービスの価値にも直結する課題ですから。
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河村
デザイン側では、量産化に対応するために、こどもちゃれんじ誌面の学習コンテンツをすべて洗い出して分類し、テンプレート化しました。
デジタルに置き換えたときにどういった操作感や演出が適しているのかを検討して、テンプレートをつくっていくのですが、やりたいことを逐一エンジニアさんに説明して、それが実現可能かどうか、確認しながら進めました。
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小林
そうだね。デザインとフィジビリティ検討は並行で進めていったイメージです。
このテンプレートを基に、問題制作会社さんが自分で問題データを入稿できるようにしたことで、省コスト・短期間での大量作成が可能になりました。
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河村
今回のプロジェクトでは、デザイン、設計、全体のアーキテクチャもすべて並行して進んでいたから、エンジニアさんとは常に情報を共有しあって、まさに二人三脚で進めていった感じです。
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デザイン×エンジニアリングの強みが発揮できたプロジェクトだったんですね。
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松浦
他にも、例えば子どもの学習結果を保護者にお知らせする仕組みがあるのですが、これは「リアル世界での親子コミュニケーションを喚起する」という企画意図に基づいたものです。
この施策もデザイナーだけでは無理だし、エンジニアだけでも無理。学習コンテンツでは、両方の強みを生かして、アイデアを実現できる場面が多いなと感じます。
「学習のプロ」ベネッセさんに学んだこと
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クライアントであるベネッセさんとは長いお付き合いですが、このプロジェクトではその経験が生きた場面も多かったのでは?
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松浦
ベネッセさんはお付き合いの最初の頃から、僕らの提案に対して丁寧にフィードバックをくださるクライアント様でした。
元々教育熱心だったり、志が高い方が集まっている会社さんですから、鍛えてもらった成果は、このプロジェクトにも生かされたのではと思います。
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小林
「本気度」が伝わってきますよね。一方的に「やれ」というのではなく、「自分たちはこういうものがつくりたいけど、もっと良いアイデアがあったら聞かせてほしい」というようなアプローチで、一緒につくってくれているという実感があります。
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河村
ベネッセさんは「学習のプロ」なので、その知見を生かしながら、デジタルでより良く表現するにはどんなデザインが最適なのか?それを模索しながらの制作でした。
今回のプロジェクトではプロトタイプをたくさんつくったのですが、ユーザーテストにお子さんを参加させてくださったりと、同じ目的をもって進むチーム感がありますね。
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小林
小学生向け教材のときから、コミュニケーションは密に取らせていただいていたのですが、じゃんぷタッチの開発時はコロナ禍で、なかなか対面ではお会いできず……。
それでも、オンラインホワイトボードなどを駆使しながら、できるだけ議論や相談の機会を多く持つようくふうして進めました。
じゃんぷタッチ開発プロジェクトで培われたもの
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じゃんぷタッチでの経験を生かして、今後取り組んでみたいことはありますか?
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松浦
先ほども触れたように、学習する人の意欲を引き出すプラットフォームづくりや、高品質な学習コンテンツを効率よく作成できるしくみ部分のノウハウは、社内に培われていると感じています。学習者が違えば、プラットフォームも変わりますが、そこはぜひチャレンジしてみたいですね。
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河村
例えば高齢者だったり、中高生向けの学習コンテンツだったり…。松浦さんが言うように、学習する人が違うと企画やUIも全く異なるはずで、例えば小学生向けなら「キャラクターが褒めてくれる」ことでやる気が出ますが、中高生ならどんなアプローチが良いのか?「最適なUI」を試行錯誤しながら探っていく過程は、また経験してみたいです。
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小林
複数のベンダーさんとのやり取りを通して、ミスコミュニケーションが発生しやすいケースや、抜けがちなところをある程度つかめるようになったのは、このプロジェクトでの経験が大きいですね。
また、参画メンバーが多い場合のプロジェクト進行、コミュニケーションの仕方についても、考えるようになりました。
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松浦
関わる人数が多いから、情報共有の仕方にもくふうが必要だったよね。
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そういえば、プロジェクトの打ち上げはやったんですか?
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河村
やってないかも…。
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小林
コロナ禍でしたしね。メンバーそれぞれで、稼働するタイミングが違うこともあって、ローンチ祝い、というのはやっていないかもしれない…。
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松浦
じゃあ、改めてやりましょうか!
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河村
ぜひ行きましょう!
当プロジェクトは株式会社ベネッセコーポレーション様のパートナーである開発ベンダー様及び問題コンテンツ制作会社様等と連携し開発したものでございます。
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