【こどもちゃれんじEnglishのUXデザイン、UIデザイン開発】デジタル時代の学びを支える即時フィードバック

2025.3.11 (更新日 2025.3.11)
デジタル技術の進化により、教育現場は大きな変革期を迎えています。特に子ども向け教育アプリの分野では、学習意欲を高める新たな仕組みが次々と登場しています。
デジタル教材は紙教材では実現が難しかった「即時フィードバック」や、柔軟で個別最適化された学習設計を可能にし、家庭学習や教育現場は、デジタル化の波とともに新しい学びのスタイルへと進化しています。
PIVOTでは、株式会社ベネッセコーポレーション様からご依頼いただき子ども向け英語教材アプリの開発に取り組みました。
PIVOTが持つUXデザイン、UIデザイン開発やシステム構築のノウハウを活用し、子どもたちが楽しく学べる環境を構築。特に、即時フィードバックを軸とした学習体験の向上と、学習過程での親子間のコミュニケーションを促進する仕組みが、高く評価されています。
本記事では、現場で開発に関わったメンバーの声を交えつつ、本プロジェクトの具体的な取り組みや成功事例を振り返ります。

もくじ
即時フィードバックで子どもたちの学びを支える

リスニングやスピーキングといった基礎的な英語力を養う本教材において、「フィードバック」は学習の質を高める鍵です。
従来の通信添削型の英語教材では、子どもが課題の添削問題に取り組んだ後、講師からの評価やアドバイスを受け取るまでに数日を要することが一般的でした。この時間差は、学習の連続性を妨げるだけでなく、子どもたちの学びへの意欲を維持する上でも大きな課題となっていました。
本プロジェクトでは、デジタル教材だからこそ実現できる「即時フィードバック」の仕組みを導入。「フィードバックのタイムラグを無くすことで、子どもたちが結果をすぐに確認でき、学習への集中力が格段に向上しました」と、プロジェクトマネージャーの髙城さんは語ります。
この即時フィードバックは、単なる正解・不正解の表示にとどまりません。子どもの学習意欲を高めるため、以下のような工夫が施されています。
- ポジティブなメッセージの活用
「もう一度やってみよう!」という励ましの言葉や、正解時の「You did it!」といったメッセージが子どものモチベーションを刺激。 - 音とアニメーションの演出
問題を解いた直後に明るい音やアニメーションが表示されることで、成功体験が強調され、次の学びへの意欲が自然に引き出されます。
このフィードバックは子どもだけでなく、親の関与も促します。
「音による合図が、親子の自然なコミュニケーションを生み出すきっかけになるんです」と高城さん。
たとえば、親が家事をしている間でも、子どもが正解したタイミングを音で知ることができ、すぐに褒めることで子どもの達成感を共有できます。
即時フィードバックは、デジタル教材の大きな強みを活かした機能であり、子どもたちにとっては新しい学びの体験を提供します。その場で結果を確認できることで、達成感とモチベーションの向上につながり、学習の効果を最大化します。
直感的な操作性を実現するUXデザイン、UIデザインと最新技術
教育アプリの開発において、子どもたちが直感的に操作できる環境を整えることは最も重要な課題の一つです。
本プロジェクトでは、UXデザイン、UIデザイン開発とシステム開発の融合によって、子どもたちが学びに集中できる快適な学習体験を実現。
「子どもがスムーズに学習を進められるよう、シームレスな画面遷移や、操作性の工夫に力を入れました」と、テクニカルディレクターの小林さんは語ります。
このシームレスな体験を支えているのが、HTMLとJavaScriptを活用した技術です。子どもたちが学習の流れを中断することなく問題を解き続けることが可能です。
さらに、ゲームエンジンライブラリ「Phaser」を活用し、学習内容を引き立てるアニメーションや視覚的な演出を実装。
「子どもたちの視線を画面に留め、学習に対する興味が続くよう、視覚的な効果に細かな配慮をしました」と小林さんは述べています。
例えば、問題を解くごとに表示されるアニメーションは、次の課題への期待感を高め、学習意欲を持続させる設計となっています。
技術面だけでなく、UXデザイン、UIデザイン開発においても、子どもたちが迷わず操作できる直感的なインターフェースを追求。
「学習画面のデザインは、子どもたちが次に取るべき行動を視覚的に明示することを重視しました」と語ったのは、画面設計担当をしたアートディレクターの丸尾さん。
「ボタンの配置や色使いなど、細部まで子どもの使いやすさを考慮しています」とも話してくれました。
UXデザイン、UIデザイン開発と最新技術を組み合わせることで、子どもたちが学習に集中できる環境を提供しています。
楽しく続ける学びの秘密 ~疑似ランダム形式の効果~

子どもたちが学習を継続できる仕組みを作ることは、教育アプリ開発における核となります。
本プロジェクトでは、子どもの興味を引き出し、学習意欲を持続させるために、疑似ランダム式に問題を提供する仕組みを取り入れています。
この仕組みでは、予測不能な問題がランダムに出題されることで、子どもたちに新しい発見の楽しさを提供します。ゲーム感覚の体験を通じて、学習が単なる義務ではなく、自然に継続したくなるものに変化しました。
「学習の楽しさを持続させるため、問題をランダムに出題する仕組みを取り入れました。子どもたちにとって、次の問題が予測できないというのは大きな魅力です」とプロジェクトリーダーの松浦さんは言います。
単なるランダム性に留めることなく、学習データを活用することで、一人ひとりの進度や理解度に応じた問題を最適化。得意分野を伸ばしつつ、苦手分野も適切に復習できるよう設計されています。
疑似ランダム形式は、学習をゲーム化すると同時に、子どもたちに自信を持たせる役割も果たしています。
このように、達成感と挑戦感を交互に味わえる設計が、子どもたちのモチベーション維持に大きく貢献しています。
問題を解くたびに達成感を感じることで、子どもたちは次の課題に自然と取り組みたくなる環境が整うのです。
このような工夫は、デジタル教材ならではの柔軟性を最大限に活かした設計です。楽しく続けられる学びの仕組みは、子どもたちの学習体験をより豊かにし、教育アプリの新たな可能性を広げています。
親子で支える自然な学びの環境
子どもが自立して学習に取り組む一方で、親が適切なタイミングで関与できる環境づくりは、教育アプリ開発における重要な要素です。本プロジェクトでは、子どもの自立性を尊重しながら、親子の自然な学習支援を可能にする仕組みも設計しました。
■子どもを支える「音による合図」
親子の学習支援を円滑に進めるために導入されたのが、「音によるフィードバック機能」です。子どもが問題を正解した瞬間にポジティブな音が鳴ることで、親は「今が褒めるタイミングだ」と直感的に理解できます。
「この仕組みが、家庭内で親子間の自然なコミュニケーションを促進しているんです」と高城さん。
音による合図は、子どもに達成感を与える大切な要素であり、親にとっては子どもを応援するきっかけとなります。特に、家事をしながらでも音を聞くだけで子どもの学習状況を把握できるため、親が過干渉になることなく、適度なサポートが可能です。
■自立を促すシンプルなUIデザイン
子どもが一人で学習を進められる環境を整えるため、UIデザインにも特別な工夫が施されています。
「子どもたちがスムーズに操作できるUI設計を心がけました。操作方法が直感的であることが、自立的な学びを支える鍵なんです」と松浦さん。
親のサポートを必要最小限に抑え、子どもの主体性を尊重する設計が実現されています。
教育アプリの未来とデジタル教材の可能性

デジタル技術は、教育の現場に新たな価値をもたらしています。
教育コンテンツのデジタル化を単なる効率化ではなく、子どもたちの成長を支援する本質的な価値に変えるものです。
プロジェクトに参加したメンバーの創意工夫と、実際の家庭での使用シーンを考慮したデザインが、これらの成果を可能にしました。
今後PIVOTでは、教育アプリのさらなる進化を追求し、家庭学習はもちろん、学校や地域教育における活用にも対応したソリューションを提供していきます。
詳細な事例や資料をご希望の方は、PIVOTにぜひお問い合わせください。
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