SE、母国に帰る~ベトナムにUターンしたメンバーのボーダーレスな働きかた
2022.9.12 (更新日 2024.9.02)
2019年に設立された「PIVOTベトナム」には、日本・東京のPIVOT本社とベトナム・ホーチミンのメンバーを繋ぐベトナム国籍の「ブリッジSE」が3名在籍しています。
PIVOT東京本社での勤務経験を経て、母国で活躍する3人にブリッジSEの仕事の実際、今後のPIVOTベトナムの展望を、ざっくばらんに語ってもらいました。
もくじ
日本とベトナム、ワールドワイドなキャリアプラン~きっかけはドラえもん?!
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まずは、現在のお仕事内容を教えてください。
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ジェム
オフィス全体のマネジメントをするベトナム支社長としての仕事と、開発に携わるSE、両方を担当しています。
PIVOTベトナムはまだ10名程度の小さなオフィスなので、経理・税務・総務も兼務です。
毎日忙しいですが、1歳児の子育て中なので時短勤務中です。
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ミンチー
僕はベトナムオフィスにJOINしてまだ2カ月ですが、東京本社で担当していた案件をそのまま担当しています。
ロールとしてはブリッジSEとしてプロジェクト全体を見る仕事が7割、フロントサイドエンジニアとして実際に手を動かす仕事が3割くらいでしょうか。2件の新規開発を進めながら、運用フェーズに入った案件のサポートも行っています。
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ジー
僕はネイティブのモバイルアプリ開発がメインです。
最近は、ブリッジSEとして全体を見る仕事に比重が移ってきていますが、案件によってJava、Kotlin、Swift、ObjectiveCなど言語を使い分ける必要がありますし、最近Flutterを導入したので、対応言語であるDartの勉強をしたりと、エンジニアとしてのスキルアップも欠かせません。
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3人とも、まずは日本でPIVOTに出会い、ベトナムに帰国後もPIVOTの仕事を続けていらっしゃいます。PIVOTに入社したきっかけを教えてもらえますか?
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ジェム
小さい頃は「ドラえもんに会いたい!」と思っていたほどの、日本文化好き(笑)。
だから、海外で働いてみたいと思ったとき、すぐに日本が候補に挙がりましたね。ベトナムの人材紹介会社でPIVOTを紹介されて、Facebookを見てみたら会社で犬を飼っていたり、書道教室を開いたりとオープンな雰囲気で、すぐに気に入りました。
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ミンチー
大学での専攻はIT系で、当時から日本で働くことは念頭にありました。
英語圏での仕事を選ぶ人も多いのですが、僕はアジアの国が性格的にも合うと思っていたし、日本の文化も好きだったので自然と日本を選んでいましたね。
PIVOTでは中途採用ですが、ホーチミンにオフィスがあることも入社にあたってプラスポイントでした。
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ジー
僕は最初、ベトナムで就職したのですが半年ほど日本に出張する機会があったんです。
もともと、日本の漫画を読んでいたりして日本文化は好きでしたが、この日本滞在が、日本で働く大きなきっかけになりました。
1年ほど日本語を勉強したあと、日本での仕事を探していたときに紹介されたのがPIVOTです。
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ベトナムに帰国するのは、来日時から予定していたのですか?
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ジェム
私の場合、いずれはベトナムに帰りたいと入社時から考えていました。
私が帰国した2016年には、まだベトナムオフィス設立の計画すらありませんでしたが、「帰国したいけどPIVOTは辞めたくない」「リモートワークで勤務を続けられませんか?」と社長の宮嵜さんに相談したら、「じゃあ、やってみようか」と。
そうしてはじまったPIVOTベトナムが、2019年に会社になり、スタッフ10名を抱えるブランチオフィスになるなんて、当時は想像もしていませんでした(笑)。
↑↑↑ベトナムオフィスの10名のメンバー。ベトナムオフィスオリジナルのポロシャツは、毎週金曜日だけ着て出社しているそう。
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ミンチー
来日したときは、特に帰国の時期は決めていませんでした。帰国を決めたのは、やはりコロナ禍が大きかったですね。
ベトナムの家族に思うように会えない時期が続き、仕事的にもベトナムでもできる自信もついてきたので、2カ月前に帰国しました。
僕は一人っ子なので、両親が喜んでくれたのがうれしかったですね。
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ジー
僕も在日期間は特に決めていませんでした。妻の出産のため期間限定のつもりで帰国したのですが、そこにコロナ禍が重なり、ベトナムでの生活が長くなってきたので、PIVOTベトナムへ転籍しました。
母は海外で働く息子を誇りに思ってくれていたので、がっかりさせるかなと思ったんですが、やはり近くにいることをとても喜んでくれています。
ブリッジSEって、実際どうですか?~開発言語は同じでも、考え方は違う
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3人ともブリッジSEとして、日本とベトナムを繋ぐ仕事をしていますが、ブリッジSEの仕事の醍醐味を教えてください。
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ジェム
ブリッジSEは、PMの観点とエンジニアとしての観点、両方が必要で、そこが難しいけど面白いですね。
いろんな立場の人が協力してひとつの課題を解決する、そのプロセスが楽しいです。
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ミンチー
僕は自分の役割を「フィルター」だと考えています。
一方から強く言われたとしても、それをそのまま相手側に伝えるのではなく、自分なりに整理したり、開発フローを見直したりして、ちゃんとフィルターしないと案件はスムーズに進行しません。
ここはブリッジSEの腕の見せ所ですね。
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ジー
抽象的なオーダーを、どう具体的にメンバーにインプットするかは、いつも頭を悩ませています。
最初は、インプットのための準備、つまり自分なりに要件を整理することにすごく時間がかかって、残業続きでした。
日本語がわからないメンバーにとってブラックボックスにならないように、要望の意図や実現したいことが伝わるように気を付けています。
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ミンチー
あと外国語を使って仕事することに興味がある人は、ブリッジSEに向いているかも。
いま僕は東京本社とは日本語、フィリピンのパートナーエンジニアとは英語でやり取りをしていますが、元々言語に興味があるので、とても楽しいです。
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ジー
確かに。
日本語、英語、ベトナム語を駆使して、各々をうまくつなげたときは、やりがいを感じますね。
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PIVOTで働いて、成長できたな、感じる部分を教えてください。
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ジェム
ジー君が言ったように、PIVOTはいろんな開発言語を使っているので、技術のスキルをアップできましたね。
あと、教科書で学ぶ日本語と、日本人が実際に使っている日本語は違いますね。日本語を本当の意味でよく理解できるようになったのは、いまの仕事にとても役に立っていると思います。
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ミンチー
東京のPIVOTで実際にお客様と接して、日本のサービスのスタンダードを体感できたのが、いちばん良かったことです。
PIVOTはIT企業ですが、サービス業でもあると思っているんです。
日本には「おもてなし」という概念もありますが、サービスの基準レベルがとても高い。メインのプログラム開発だけやればいいわけではなく、周辺まで気を配ったり、最後まできちんと仕上げたり、という点も求められます。
これは日本で仕事をしないと理解できないんじゃないかな、と感じます。
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ジー
最後まできちんと仕上げる、というのは日本のエンジニアさんと仕事をするうえで、本当に大事ですよね。
コーディングして終わりではなく、チェックやデバッグまで丁寧にやることは、日本で身につきました。
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ミンチー
コーディングするとき、考えられるケースをできるだけ洗い出して、想定しておく考え方も鍛えられましたね。
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ジー
日本のエンジニアさんは、コードの中のコメントもしっかり書いてあったりしますね。
海外だと「動けばOK」という感じで、あまりコメントを残さないのですが、いま僕が接しているエンジニアには、できるだけわかりやすくコメントを書くようにお願いしています。
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ミンチー
開発言語は共通でも、仕事のやりかたに文化の違いを感じることはあるよね。
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ジー
例えば「報連相(ホウレンソウ/報告・連絡・相談の略で、日本企業の社員が最初に身につけるべきと言われるビジネススキルのこと)」の考え方とかね。
いま、エンジニアをリードしていく立場になってみて、そういう日本式の考え方が生きるケースもあるんですよ。
PIVOTの魅力はこんなところ!~成長できる、安心できる
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PIVOTで外国籍の方が働くメリットはどんなところですか?
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ジー
僕たち外国籍メンバーの先輩がいるので、いろいろサポートできます!と伝えたいです。
僕も言葉や仕事だけでなく、生活面でもいろいろとサポートしてもらいましたから。
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ミンチー
会社としても、就労手続きなど積極的にサポートしてくれて、本当に助かりました。
煩わしい書類に悩まされることなく、仕事に集中できると思います。
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ジェム
社員と会社の距離が近くて、仕事に限らずなんでも気軽に相談できる環境なのは、本当にそうですね。
家を探すサポートをしてもらった人もいますし、基本的に人が優しいです。私が産休から復帰する際も会社に相談して、フレックスにしてもらったんですよ。産休・育休も取りやすいので、女性の方も安心かなと思います。
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ミンチー
性格的に優しいメンバーが多いのは、PIVOTの自慢のひとつですね。
外国語でのコミュニケーションは、自分が言っていることが伝わっているのか、相手の言葉を正しく理解できているか、常に不安がありますが、周りに優しいメンバーがいると安心感が出て、ストレスがぐっと減ります。
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ジー
いまは在宅勤務の人が多いですけど、東京本社はオフィスもオシャレで仕事しやすい環境なので、ぜひ一度訪れてみてほしいです。
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PIVOTで働くうえで、「これだけは欠かせない」と思うことはありますか?
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ミンチー
常に学び続ける気持ちを持つことでしょうか。
日本語も、最初はそれほど喋れなくても、少しずつ勉強していけば絶対に認められます。学び続ける気持ちさえあれば、活躍できると思います。
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ジー
まったく同感です。業務外で時間をつくって勉強するとなると、なかなか続かないと思うのですが、PIVOTでは仕事の中で技術スキル、言語スキルを向上させていくことができます。
例えば、日本人メンバーとのやり取りから「こんな考え方もあるのか」「こういう言い回しなら伝わるんだ」と意識できれば、次回から活用することができますよね。
そのためにも、自分を進化、成長させたいという姿勢がいちばん大事かなと思います。
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ジェム
勤勉で責任感のある人なら、日本語に少し自信がなくても、大丈夫。
PIVOTはみんな優しいですから(笑)。
日本語スキルの目安としては、日本語能力研究N2レベルと言っていますが、個人的にはN2とN3の間くらい、N3の少し上くらいでも最初はOKかなと思います。
今後の夢や目標~日本とベトナムの架け橋に
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今後の夢や目標、やりたいことを教えてください。
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ジー
僕はいま、プログラマーからブリッジSEへとキャリアの切り替えタイミングに来ているので、今後はコーディングだけでなくリーダーシップを身につけていきたいです。
案件によっては、10名以上の人と関わることになりますから、マネジメントに関する知識やノウハウを勉強していけたらと思います。
プライベートでは、良きパパであることが目標です。
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ミンチー
いまのブリッジSEからもう一歩進んで、PMなどより上流の工程を担当してみたいと思っています。
ビジネス的な観点を学んで、ベトナムメンバーと協力しながら、オフィスをもっと広げていけたらいいですね。
プライベートでは、自分のアプリを立ち上げてみたいです。企画・開発からデプロイまで、これまで得た知識や経験を生かして、やってみたいですね。いま、頭の中で設計中です(笑)。
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ジェム
仕事に関する夢は、PIVOTベトナムのメンバーを増やして、スキルアップして、面白い案件をもっと担当できるようになりたいと思っています。
支社長として、会社の運営の知識も、たくさん勉強したいですね。
プライベートでは、日本のメンバーがベトナムに来たときに生かせるような、メンバー交流、文化交流、ベトナム観光のプログラムを作ってみたいなと思っています!
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最後に、PIVOTに興味を持っている外国籍の方へのメッセージをお願いします
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ジェム
PIVOTは本当にフレンドリーな会社ですから、安心して応募してきてください。たくさんの方とお仕事できるのを楽しみにしています。
編集後記
ホーチミンと東京を繋いだリモート対談は終始和やかで、3人の仲の良さが伝わってきました。
日本で働くことでさらに成長し、母国で活躍する3人の言葉には、「自分らしい働きかた」のヒントがたくさんありました。
ベトナムオフィスに東京メンバーみんなと、いつか行ってみたいな~!
↑↑↑今回のインタビューをキッカケにベトナムオフィスのメンバーが送って送ってくれた写真です。
みんな本当に仲良さそうです。
東京でお揃いユニフォーム作ったら、みんな着てくれるだろうか。
東京でも作りたいな~!!
今回は母国であるベトナムにUターンしたメンバーのインタビューをご紹介しました!
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