世界デザイン会議 東京2023に参加してみた!~エンジニアレポート”排除させないデザイン”

エンジニア中本
中本 悠太郎 エンジニア

2023.11.29 (更新日 2023.11.29)

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もくじ

世界デザイン会議 東京2023に行ってきた!

はじめに。世界デザイン会議とは?

34年ぶりに日本での開催となった「WDO 世界デザイン会議 東京2023」。10月27日より3日間の会期で開催されました。

 

デザイン分野の国際組織「World Design Organization(以下、WDO)」が主催する国際的なカンファレンスとして、世界中のデザイン関係者のみならず、エコロジー、サイエンス、テクノロジーなどの幅広い領域のプロフェッショナルが一堂に会します。

 

2023年のテーマは「DESIGN BEYOND(デザインの向こう側)」。

 

デザインの可能性や担うべき役割を、様々な視点を交えた形で共有されるこの貴重な場に、エンジニアとしても興味があり参加してきました!

 

エンジニアとして印象的だったことをレポートにまとめています!

レポート : 排除させないデザイン

session3‐2

「障がい」と「正常化」の切り口で、テクノロジーはどうあるべきか

どの講談も専門的で、理解しようと必死にメモを書く中で、特に一つ耳に留まる話があった。

(10/28 分科会 Session 3 – Technology モデレーター:スザンヌ・ムーニー / 登壇者:松尾 豊、佐々木 剛二、田中 みゆき)

 

「障がい」と「正常化」の切り口から、テクノロジーはどうあるべきかの話をしていた。マイノリティの一般化について、たまにふと考えていたことがあり、特に印象に残る話だった。

 

障がいについては、医学モデルと社会モデルの二つの捉え方がある。前者はその障がいそのものが悪いという捉え方、後者は社会的障壁が障がいたらしめているという捉え方である。

 

例えば、補聴器は医学モデルにあたる。聴覚障がいそのものを原因として捉えた、聴力をサポートするテクノロジーである。

 

つまり障がいをなおすという考え方があり、その根底に「正常化」がある。しかし、どのような姿が「正常」なのか

 

確かに補聴器は障がいを持つ方に力を与えるが、障がいがないことが望ましいという暗黙的な考え方が、医学モデルの「正常化」の背景にある。

 

これを話者の田中みゆきさんは問題視し、※著者のAshleyさんの言葉を借り、”TechnoAbleism(技術主義)”と呼んでいた。


 

※アシュリー・シュー/生命倫理学者・バージニア工科大学准教授
著書:Against Technoableism https://amzn.asia/d/1YcxTAz
テクノロジーと障がいに関しては障がい者こそが真の専門家であると主張。「technoableism(技術主義)」、つまりテクノロジーが障がいの「解決策」であるという有害性を研究している。

UXデザイン、UIデザインを重視しているからこそ学べたこと

では、どうしたらテクノロジーはこのTechnoAbleismを排除できるのか。

 

それに対し、田中さんはもう一つの社会モデル的な捉え方をし、「テクノロジーは障がいをなおすためのものではなく、参加を促すためのもの」という捉え方をしていくべきだと結論づけた。この捉え方を実践している例として、分身ロボットカフェを挙げていた。

 

このカフェではロボットが接客をしてくれるのだが、そのロボットは障がいを持つ方が自宅から遠隔で操作しているのだ。

外出困難な障がいを持つ方々が働くために、医学モデルを用いるのではなく、分身のロボットを用いることで働くことへの社会的障壁を取り払っている。

 

昨年度、社内のフロントエンドチームにおいてアクセシビリティについて調べたことがあるが、まさしくアクセシビリティはこのマイノリティの参加を促すテクノロジーだと感じた。

 

例えば、スクリーンリーダーでの読み上げに対応させる等。これまでアクセシビリティという名前自体に何も感じなかったが、誰もがアクセスできるような規範を整える、という意味があると考えると、より興味が湧いた。

 

田中さんの講談に限らず、「デザインによって誰かが排除されてはいけない」という考え方は、世界デザイン会議で学んだ一連のことにおいて、共通認識であるように感じた。

 

そして、UXデザイン・UIデザインを重視している自分、そしてPIVOTにとって、この考え方は親しいものだと感じた。フロントエンドエンジニアである自分としては、アクセシビリティという観点をより学んでいきたいと感じた。

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