UXデザインの5段階モデルとは?成功するユーザー体験を創るためのプロセス
2025.1.15 (更新日 2025.1.17)
こんにちは、UXデザイナーの松浦です。
私たちが日々取り組んでいるUXデザインは、単なる「使いやすさ」や「美しさ」を追求するだけでなく、ユーザーの感情や体験を深く理解し、それを設計に反映させることが求められます。良いユーザー体験(UXデザイン)を提供することは、製品やサービスの成功に直結します。しかし、どのようにしてその「良い体験」を生み出すのか、確実にステップを踏んでいくことが大切です。
そこで、今回はUXデザインを成功に導くための「UXデザインの5段階モデル」について、私自身の経験も交えながら解説していきたいと思います。このモデルを実践することで、より質の高いUXデザインを創り上げるための理解が深まるはずです。
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松浦 祐希 Matsuura Yuki
PIVOT執行役員 IA / UXデザイナー 人間中心設計専門家
ディレクター、UIデザイナーの経験を経て、よりプロダクトの設計に特化すべくインフォメーションアーキテクチャを中心に活動。
人間中心設計のデザインプロセスを導入したプロジェクトプランニング、要求定義~プロダクト設計の実行を得意とし、多くのプロジェクトを担当。
もくじ
まずはここを押さえよう!UXとは?
まずはじめに、UXの基本を少し押さえておきましょう。
UXとは「ユーザーエクスペリエンス」の略で、製品やサービスを使ったときにユーザーが感じる体験全体を指します。これは単に「使いやすさ」や「視覚的な魅力」だけでなく、ユーザーがどれだけ満足し、どのように感情的なつながりを感じるかにも関わる重要な要素です。
優れたUXとは、ユーザーが目標を達成するためにどれだけスムーズで心地よい体験を提供できるかを考えた設計プロセスです。単に「操作がしやすい」というだけでなく、課題や要望に対し「自然なストーリー」を作り出すことがUXの目的となってくるのです。
ここから本題!UXデザインの5段階モデルとは?
UXデザインの5段階モデルとは、ユーザー中心の製品開発をサポートするための一連のステップの事です。このモデルを適切に実行することで、ユーザーの期待に応える製品やサービスを作り上げることができるのです。それでは、5つの段階を順に見ていきましょう。
【1段階目】戦略(Strategy)
プロジェクト・サービスの目的やビジョンを明確にし、ユーザー体験の方向性を決める段階。
- ユーザーのニーズと企業の目標を定義
- 「なぜこのプロジェクトを行うのか」「ユーザーにとっての価値とは」を明確化
- 調査や競合分析を通じて方向性を設定
【2段階目】要件(Scope)
ユーザーのニーズとビジネスの要件を整理、機能や内容を決める段階。
- 戦略層で決まった目標に向け、具体的な機能やコンテンツの範囲を決定
- プロダクトやサービスに含めるべき機能、排除すべき要素を整理
- 機能要件書やコンテンツ要件書を作成することもある
【3段階目】構造(Structure)
製品やサービスの機能と情報を整理し、設計する段階。
- 要件層で決定した要素をどのように整理し、ユーザーが利用しやすい形にするかを検討
- 情報アーキテクチャやナビゲーション設計を行う
- ユーザーがどう行動し、どの順序でタスクを完了するかを設計
【4段階目】骨格(Skeleton)
画面の構成や操作の流れを設計する段階。
- 構造層で定義された設計を視覚的・インタラクティブに具体化
- ワイヤーフレームを作成、ページのレイアウトやUIコンポーネントを配置
- 使いやすさ・操作性を重視
【5段階目】表層(Surface)
最も目に見える部分で、ユーザーが直接目にするデザインの段階。
- 配色、フォント、ビジュアルエフェクトなど、感情に訴える視覚的なデザインを施す
- ブランドイメージや一貫性を考慮しながら、美しい体験を提供する
なぜUXデザインの5段階モデルが重要なのか?
UXデザインの5段階モデルは、ただの作業フローではなく、ユーザー中心のアプローチを確実に実行するための設計モデルです。このプロセスを踏むことで、製品やサービスはユーザーの期待に沿った形で提供され、ユーザー満足度が向上します。また、問題が早期に発見されるため、無駄なコストを削減することも可能です。
UXデザインの5段階モデルを活用するメリット
- ユーザー中心のアプローチ: ユーザーのニーズに基づいたデザインの実現
- 早期の問題発見と改善: フィードバックの早期獲得と迅速な課題解決
- コスト削減: 初期段階での問題解決により、後の修正コストを削減
- 一貫したデザイン: 各ステップでビジョンを確認、整合性のある製品に
- ユーザーとの強い結びつき: ユーザーの期待に応える製品提供で、満足度向上
- 効果的なチームワーク: 反復的なプロセスにより、チームワークが強固に
- 競争優位性: ユーザーに最適化された製品作りで、競争力向上
- 製品の進化: ユーザーフィードバックを取り入れて、製品を継続的に改善
5段階モデルを活用した学習塾のシステム改善事例
クライアントである学習塾様の『塾生管理システムのUI改善プロジェクト』を例にご紹介したいと思います。
「生徒の学習をリアルタイムに把握できる教務支援システム」を目指し、実際にシステムを利用する講師の方たちが、より効果的に塾生をサポートできるような改善案をUXデザインの5段階モデルを軸に提案させていただきました。
UXデザインの5段階モデルを活用したUI改善により、講師がリアルタイムで生徒をサポートできるシステムが完成し、講師と生徒双方の満足度が向上しました。
こちらの『塾生管理システムのUI改善プロジェクト』は<資料ダウンロード>で詳細をご確認いただけます。
まとめ
UXデザインの5段階モデルは、優れたユーザー体験を創り出すための強力なツールです。このプロセスを実践することで、ユーザーのニーズに合った製品やサービスを提供でき、ビジネスの成功に繋がります。もし、あなたのプロジェクトでもUXデザインを改善したいと考えているなら、ぜひこの5段階のプロセスを取り入れてみてください。
<おまけ>UXデザインの5段階モデルについてよくある質問 (FAQ)まとめ
実際にお客様からお問い合わせの多い質問をまとめてみました!
ご参考にどうぞ。
Q1: UXデザインの5段階モデルを実行するためにはどれくらいの時間がかかりますか?
A1: プロジェクトの規模や複雑さによりますが、一般的には数週間から数ヶ月かかることがあります。短期間での成果を得たい場合は、各段階を迅速に進める方法を検討することが重要です。
Q2: 5段階モデルはすべての製品に適用できますか?
A2: はい、ほとんどの製品やサービスに適用可能です。特に、ユーザーインターフェースが重要なデジタル製品やサービスでは、このプロセスが非常に効果的です。
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