プロセス・デザインで始めるダイバーシティ!~システム開発プロジェクトにおける働き方を考える
2020.10.22 (更新日 2023.11.30)
こんにちは。PIVOTコラム編集部です。
開発・育児・学業の3足のワラジを履いている最中です。大学院では後期の授業が始まり、週末は課題に追われています…。
私の場合は、育児に加えて大学院に通いたい、ということでそのための働き方を会社と相談しているわけですが、昨今では様々な事情を抱えながら働いている人が増えており、ダイバーシティの意識を浸透させていくことが必須だな、と痛感しています。
そこで、今回は「プロジェクトにおけるダイバーシティ」について考えてみたいと思います。
もくじ
〇〇時間働けないとダメなのか?
仕事におけるダイバーシティというと、どんなイメージが湧きますか?
育児や介護をしなければならない社員の仕事の負担を減らして、他の人がフォローする、ということでしょうか?
日本以外の国籍の人をたくさん採用して、社内のグローバル化を進める、ということでしょうか?
観点としても色々あると思いますが、私はまず「誰もが成果を出せる環境をつくること」だと思っています。
私のシステム開発プロジェクトではメンバー10人のうち、私も含めた4人が子育て中のワーキングマザーです。また、5人はベトナム国籍でホーチミン支社に在籍しています。拠点も福岡・東京・ホーチミンとばらついているため、コロナ以前からリモート会議が当たり前でした。
ワーキングマザーは、17時前後にはボチボチ帰らなければなりませんし、ベトナムも2時間ほどの時差があるので、日本時間に合わせての「朝イチ」は、交通事情もあってかなりシビアになります。
このようなメンバー構成でプロジェクトをまわすには、まず「自分が仕事をしている時間は、他の人も仕事をしているはず」という前提を捨て去らなければなりません。
24時間働ける、という意識はあまりにもブラックすぎるので今ではほぼないにしても、「今すぐ会議をしよう」「定時後だけど会議させてほしい」「今日中にこれお願い」という急な割り込みは、使える時間に制約があるメンバーにとってはかなり重荷になります。
やっぱり、時間に制約があると働くのは無理なのかも…という考えに至りやすくなります。
「自分がいつもいなくちゃダメ」って本当?
誰もが成果を出せる環境をつくるには、以下の2つが特に大事だと考えています。
①自分がいなくても仕事がまわるようにする
②会議をしなくても仕事がまわるようにする
時と場所(リモートでつながることも含め)を合わせなければならないタイミングを最低限にすることで、事情を抱えている人でも、一気に働きやすくなると思います。
たとえば、
・口頭のみでの情報共有を廃止し、必ず資料やチャットにメモを残しておく
・作業はすべてチケット化しておき、進捗や次にやることが明確なようにしておく
・資料は事前に共有し、目を通しておく。(会議での読み合わせを前提にしない)
・「今日中!」の作業を、今日依頼しない。(依頼側も意識を変える)
という工夫が効果的だと思います。
時間に制約があろうとなかろうと、このほうが仕事はやりやすくなるはず。
情報を発信する人は、その場にいない人にもわかるようにテキストで残しておく。情報を受信する人は、自分から取りに行く。(情報は、自動で手元に届くのが当然ではない!)
このサイクルができるだけでも、時と場所を合わせる必要性はグッと下がっていきます。そうすれば、「働ける時間に制約があるから」という理由でキャリアを諦める必要性がなくなります。
まとめ
ダイバーシティをどう推進するかは、まずは経営方針としての意思決定が必要ですが、浸透させるプロセスには、プロジェクトごと(現場)の意識改革が必須です。
今回は時間的な制約という側面から話しましたが、ほかにも言語や文化、障害など、さまざまな観点での多様性を受け入れていく必要がありますね。
ダイバーシティを「福祉的」なアクションで考えるのではなく、プロセスの合理化につなげることで、人もプロジェクトもどちらも幸せになるのではないかと思いますが、いかがでしょうか?
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