単純ゆえに怖い? 意外と身近なDDoS攻撃|システム開発 必須知識
2021.11.22 (更新日 2024.7.29)
こんにちは。PIVOTコラム編集部です。
今回の記事では、意外と身近にも発生しているサイバー攻撃「DDoS攻撃」についてご紹介します。
結論から申しますと、DDoS攻撃とは、複数のパソコンを踏み台にして、対象のサーバーに対して過剰なアクセスや大量のデータを相手に送りつけることで、対象のサーバーをシステムダウンさせるサイバー攻撃のことです。
では、まずDDoS攻撃の前に「DoS攻撃」について解説します。
システム開発や特にセキュリティ対策においては知っておくべき用語なので、是非ご一読くださいませ。
もくじ
DoS攻撃とは?
DoS攻撃とは「Denial of Service attack」の略で、1つのパソコンを用いて、大量のデータなどを送りつける攻撃のことです。
対象のサーバーは送りつけられたデータを処理するために多くのリソースが必要となってしまい、最終的にはサーバーがダウンしてしまいます。有名なものでは次の2つの方法があります。
・メールボム攻撃
大量のメールを送りつけ、メールを正常に送受信できなくさせる攻撃。
・F5攻撃
Webサイト上でキーボードのF5キーを押すことでページを再読み込みすることが可能で、このページの再読み込みを繰り返すことでサーバーに負荷を掛ける攻撃。攻撃方法がF5キーをただ連打するだけという非常に簡単な攻撃。
DDoS攻撃とは
DDoS攻撃とは「Distributed Denial of Service attack」の略で、1つのパソコンで攻撃するDoS攻撃に対して、複数のパソコンを用いて攻撃を行います。
実際に複数のパソコンを用意してDoS攻撃を行うのではなく、攻撃者は事前にマルウェアなどを用いて他人のパソコンの操作権限を奪い、自分の支配下に置いた複数の他人のパソコンを用いてDoS攻撃を行います。
DoS攻撃の場合は「攻撃を実行するパソコン = 攻撃者」でしたが、DDoS攻撃の場合は「攻撃を実行するパソコン ≠ 攻撃者」であるため、攻撃者の特定が非常に困難であることが特徴です。
システム開発におけるDDoS攻撃の脅威
DDoS攻撃は他人のパソコンを利用することから、知らず知らずの内に自分のパソコンがDDoS攻撃に加担していたということが起こり得ます。
また、DDoS攻撃は他のサイバー攻撃に比べて手法が簡単なことから、DDoS攻撃の手法やツールをネット上で簡単に見つけることができる上、非常に安価な値段でDDoS攻撃代行業者に依頼することもできます。
実際に、2019年4月には日本の高校生が海外のDDoS攻撃代行業者に依頼して、オンラインゲームのWebサイトにDDoS攻撃を仕掛けるという事件が発生しています。
出典:https://xtech.nikkei.com/it/atcl/column/14/346926/092200062/
サーバーがダウンしてしまうことで、システムやゲームを利用しているユーザーに対し多大な迷惑をかけてしまうことになり、企業は社会的な信頼を落としてしまいます。また、攻撃を受けたサイトがECサイトであった場合、復旧までの期間は販売機会を損失することになります。
攻撃を受けたサーバーが従量課金制だった場合、攻撃によって大量に送りつけられたデータを処理しなければならなくなり、その量に応じて利用料金が増大するということも起こり得ます。(DoS攻撃やDDoS攻撃と判別されれば支払いが免除される場合もあります)
身近に起きているDDoS攻撃
世界的に人気のあるオンラインゲームでは、DDoS攻撃が度々発生しています。ゲームサーバーに対して負荷をかけることにより、自分以外のプレイヤーがまともにプレイできない環境を作り出し、自身に有利なようにゲームを進めたり、ゲームで負けた腹いせでDoS攻撃を仕掛けたりするというのが目的となっています。
ここ最近では、オンラインゲーム「Apex Legends」にてDDoS攻撃が蔓延してしまい、SNS上でゲームの運営に対してDDoS攻撃の対策を求める運動である「#SaveApexRanked」というハッシュタグがトレンドに上がるということがありました。
単純ゆえに怖い? 意外と身近なDDoS攻撃|システム開発 必須知識 〜まとめ〜
DoS攻撃とは大量のデータを送りつけるサーバー攻撃のことで、DDoS攻撃はマルウェアなどで支配下に置いた複数台のパソコンを用いてDoS攻撃を行うサーバー攻撃のことでした。
DoS攻撃に関しては、ただF5キーを連打するだけという非常に簡単な手法であることから誰でも実行することができますが、DoS攻撃やDDoS攻撃はれっきとした犯罪行為ですので、遊び半分で実行することがないよう注意してください。
また、近年のセキュリティサービスにはDoS攻撃やDDoS攻撃を検知し被害を抑えるなどの機能が搭載されているものが多くあります。
場合によっては甚大な被害をもたらすDDoS攻撃ですので、セキュリティサービスを検討する上でDoS攻撃やDDoS攻撃に関する機能の有無について意識してみるのも良いかもしれません。
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