新卒研修担当者に聞く!研修プログラムのひみつ
2024.5.30 (更新日 2024.5.30)
こんにちは!PRの大場です。
2024年、PIVOTには7名の新卒社員が入社しました。この7名が目下取り組んでいるのが、PIVOT名物の「ルーキー研修」。プログラムはPIVOTオリジナルで、社会人としての基礎はもちろんのこと、BTC(ビジネス・テック・クリエイティブ)な実践的スキルやマインドが身につくと毎年とても好評なんです。
今回は、ルーキー7名を率いる研修担当、オーガナイザーの嶋田さんに、人気のひみつや、ルーキーへの想いをお聞きしました!
※PIVOTでは新卒1年目のメンバーをルーキーと呼んでいます!
もくじ
まるでワークアウト?!な実践的研修
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PIVOTオリジナルのルーキー研修プログラムがとても好評だと伺いました。
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嶋田さん
はい。これまでPIVOTが培った人材育成に関するノウハウを体系化して独自な視点でプログラムにしています。とは言え、現場でルーキーたちの反応を見ながら、順番を変えたり、調整したりするので、毎年全く同じものではありません。システム開発のイメージで言えば、ウォーターフォール型ではなく、アジャイル開発型。まるで生き物のように姿を変えるのが、PIVOTの研修プログラムの特徴です。
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毎年オーダーメイドなんですね!他にはどんな特徴がありますか?
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嶋田さん
研修と言うと、座学のINPUT中心型学習を思い浮かべる方も多いと思いますが、PIVOTの研修は、情報のINPUTとOUTPUTを繰り返す、ワークアウトのようなイメージです。特にフィールドワークで外に出るなど、OUTPUTの機会を多く設けています。便宜上「研修」という言葉を使っていますが、「実習」とか「反復訓練」の方が近いかもしれません。この研修を通して、PIVOTで働くうえで必須の力、すなわち「読解力・仮説力・思考力」を鍛えてほしいと思っていますが、それにはINPUTだけでなく、OUTPUTの機会が必要で、徹底的にOUTPUTを繰り返し、フィードバックをしていきます。
PIVOTメンバーに欠かせない3つの力~読解力・仮説力・思考力を鍛える!
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「読解力・仮説力・思考力」が欠かせない理由を教えてください。
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嶋田さん
クライアントワークでの本質は、ビジネス理解や与件の把握という情報構造の整理です。クライアントの要件や情報を整理する、複雑な情報を顕在化する、散らばった情報を分類する…それらを基に優先順位を整えて、予算とスケジュールに合わせてデジタルサービスの提案をつくる。これらには論理的な思考が欠かせません。その論理的思考力を支えるのが、この3つの力です。読解力は、状況や文脈を読み解く力、観察力、と言い換えてもいいかもしれません。
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IT企業において、読解力、観察力が必要というのは、意外に感じます。
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嶋田さん
クライアントがまだ気づいていない自らの価値や強みを見つけること、まだ世に表れていない潜在的なニーズを見つけること、そういうことがイノベーションの種であり、クライアントがビジネスをデジタライゼーションする時に、真に望んでいることだと思うのです。そういった意味で、読解力、観察力というのは私たちにとって必須の資質だと思っています。
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研修では、どうやってその力を鍛えていくのですか?
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嶋田さん
例えばフィールドワーク型研修のなかで、実際の店舗に出向いて、サービスフローを観察するというワークがあります。マッサージ店なら、受付があって、問診票を書いて、既往歴を確認して、着替えを促して…と、細かなプロセスが発生しますよね。普段はこういったプロセスを意識することはありませんが、研修ではこのサービスフローを分解するトレーニングをしてもらいます。この経験は、将来サービスフローをデジタル化するときに、どのプロセスをシステム化すれば良いUXになるのか?効率化できるのか?を考える基礎となります。逆に言うと、プロセスを分解する力がないと、即戦力にはなれません。
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そういったトレーニングを経て、読解力をつけていくのですね。
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嶋田さん
実際の業務では、プロセスフローを理解していることはもちろん、利用者のストレスを感じたポイントをどうデジタルサービス改善で解決していくのか、という視点が大切です。ストレスに気づく、言語化する、ストレスを感じている人に共感することは、優れたユーザーエクスペリエンスをデザインするための第一歩です。
8つの基礎研修とOJTで実務能力の土台を固める
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ルーキー研修の具体的な内容を教えてください。
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嶋田さん
ルーキー研修6か月のうち、前半は基礎研修、後半をOJT期間としています。基礎研修では、下図のような8つのカテゴリ毎にワークを設定し、社会人としての基礎から、テクニカルな専門スキルまで総合的に学びます。3か月後の⑧チームビルドプロジェクトでは、基礎研修の総仕上げとして、ルーキー全員でウェブサイトを1つつくってもらいます。
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各カテゴリの具体的な内容を教えてください。
略称 | 研修プログラム名 | 研修の具体的内容 |
B研修 | ビジネス研修 | ビジネスマナーやオフィスツールの研修 |
P研修 | オンボーディング研修 | 各種オリエンテーションや、 カルチャーフィットや全チーム紹介 |
W研修 | ビジネス基礎(インプット&アウトプットの)ワーク研修 | マーケティング、ロジカルシンキング、 クリエイティブシンキング、プレゼンテーション、 コミュニケーションなどビジネスマンとしてのいろは研修 |
T研修 | テクニカル研修 | ディレクター職向けの研修、 エンジニア職向けの研修、 デザイナー職向けの研修を全員でチーム学習 |
S研修 | セールス研修 | 営業活動や、プレゼンなどの実習 |
C研修 | キャリアデザイン研修 | 自分自身の人生を考える研修 |
V研修 | コアバリュー研修 | 行動規範を意識し、自己を律する研修 |
O研修 | オーガナイズド研修 | チームビルディングを行い、共通の目的、目標を達成するワーク型の研修 |
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嶋田さん
▼ ①B研修
ビジネス基礎研修の略です。社会人としてのマナーやコミュニケーションの基本的なスキルや、Microsoft Officeソフトの基礎的な操作方法を学びます。学校で言えば、読み書き・挨拶・姿勢という感じです。
▼ ②P研修
PIVOT研修です。PIVOTのカルチャーにオンボーディングしていくための各種事務的なオリエンや、各チームの紹介をチームごとに行います。ボードゲームをしたり、価値観カードを共有したり、お互いの「ジョハリの窓※1」を開放していきます。学校で言えば、ホームルームという感じです。シャッフルランチも開催します!
※1「ジョハリの窓」参考:https://www.kaonavi.jp/dictionary/johari/
※2「シャッフルランチ」幅広いコミュニケーションの促進を目的とした、社内でのランチ交流会。
▼ ③W研修
インプット&アウトプットするWORK研修です。ここでプレゼンテーションやマーケティング、クリエイティブシンキング・ロジカルシンキング、ビジネスモデルなどのビジネス的な手法・考えかたを学ぶと同時に、気づいたことをお互いに発表し合うというプレゼンのアウトプットを行います。学校で言えば、教科書を読みながら、宿題を持ってきて(ワークに取り組んで)発表するというアクティビティです。
▼ ④T研修
テクニカル研修です。PIVOTでは、職種別採用を行っていますが、この研修では、職種に関わらずディレクション、フロントエンド、UI/UXデザインなどを総合的に学びます。さらに、プロジェクトマネージメントのテクニックやセキュリティに関する講義、ガントチャート、WBS,OBSの作成などもここで学びます。学校で言えば、部活動や委員会活動などに該当する感じで、非常に実践的に取り組んで行きます。
▼ ⑤S研修
セールス&プレゼンテーション研修です。小売店やネットショップなどの営業プロセスを分解し、ユーザーの感情を分析したり、展示会などに実際に足を運んでフィールドワークを行います。チームでディスカッションを重ね、ペルソナやユーザージャーニーマップなどを作成し、プロセスやユーザーの感情をデザインすることを学習します。学校で言えば、職業体験に該当する感じです。
▼ ⑥C研修
キャリアデザイン研修です。自らのキャリアデザインを考えるに当たり、自分の強みや、人生や仕事の目的を考え、目標を具体的にするなど、指針を考える基本を習得します。仕事観、人生観を学ぶ・考える機会を提供しています。学校で言えば、進路指導に該当します。
▼ ⑦V研修
Value研修。PIVOT「10の行動指針」を学び、体現できるようにするための研修です。ここでは、ビジネスTIPSなど、実際に現場で役立つ知識も身に着けていきます。学校で言えば、道徳の授業でしょうか。
▼ ⑧O研修
Organization研修です。前述した通り、研修期間の総決算として、ルーキー全員で1つのウェブサイトを作成します。学校で言えば、文化祭に該当すると思います。これで、先輩社員の驚く顔を見てみたいと思いますし、そのルーキーの成長が、組織を活性化させてくれると考えています。
クロスオーバーな視点が身につく
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盛りだくさんの内容ですね!職種別採用にも関わらず、Technical研修で他職種の知識も学ぶのは、何か意図がありますか?
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嶋田さん
私たちPIVOTの仕事は、エンジニアだけ、デザイナーだけ、ディレクターだけでは成り立ちません。そもそもがプロジェクトワークを前提としたビジネスモデルの体系です。PIVOTは創業時からデザイン×エンジニアリングを標榜していますが、デザインとエンジニアリングの融合は、全メンバーが職種をまたいだクロスオーバーな視点を持っていないと成立しません。各職種が連携して、ワンストップでひとつのものをつくりあげる、それがPIVOTの強みであり、コアであることを、この研修で理解してもらえたらと思っています。
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なるほど。その成果を確認するのが、⑧O研修のチームビルディングプロジェクト、なんですね。
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嶋田さん
はい。O研修では前述した通り、ルーキーだけで1つのウェブサイトを協力してつくってもらいますが、大事なのは技術ではなくて、プロジェクトマネージメントの体をなしているのかどうか、です。要件定義ができているのか?ガントチャートをつくって予定通りに進められたか?それぞれの役割を理解して取り組んだか?完成度よりも、それが大切です。
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3か月でそこまでの成長を期待されているんですね。
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嶋田さん
この3か月で学べることは、本当にベーシックなところだけです。でも、終わったときに「いっぱい学んだし、楽しかったし、仲間とやり切ったな」「ディレクターと、デザイナーと、エンジニアと、一緒にやれるのが私たちの価値で強みなんだね」ということが理解できていれば、この研修は大成功だと捉えています。
かゆいところに手が届く!手厚すぎる研修プログラム
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ほかに、特徴的な研修内容があれば教えてください。
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嶋田さん
前述の小売店や展示会でのフィールドワークのほかにも、テレビ通販のセールストークから営業スクリプトを学んだり、フリマアプリで実際に商品を売って利益率を肌感覚で理解したりと、さまざまなワークを行っています。また、営業メールへの対処方法、契約書の締結、議事録づくり、ストレスとの向き合い方など、現場ですぐに使えるTIPSも提供しています。「普通は教えてもらえないことを学べる」と好評です。
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本当にきめ細やかですね!
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嶋田さん
働く人がワクワク感を持っていなければ、ユーザーにワクワクする体験を提供することはできません。みんながのびのびと働き、楽しむ文化をつくることは、PIVOTにとって重要な経営戦略。ルーキーにも気後れすることなく最初の一歩を踏み出してほしいので、協力は惜しみません。彼らも全力で取り組んでいる以上、私も全人生をかけて取り組んでいます!
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基礎研修が終わるとOJTに入りますが、ここにもPIVOTならではの制度がありますか?
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嶋田さん
7月からは各OJTが現場で指導していくので、私はそのバックアップに入って、間接的にルーキーを見守る立場になります。毎週、OJTの共有会を実施するのですが、昨年までの共有、相談ノウハウがあるので、確認すべきことや、気を付ける点など、フォーマットもあります。また、タイプ別のコミュニケーションやリーダーシップ、積極的傾聴や1on1などの取り組み方など、OJT向けの研修にも力を入れています。属人的になりがちなOJTですが、ルーキーの成長を全員で見守ることで、知識や経験の偏りを防いでいます。
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OJTとなる先輩社員の成長も期待できますね。
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嶋田さん
OJT側の経験者を増やしていく取り組みも並行して進めていて、ゆくゆくは誰もがOJTになる、全員が育成をする、という意識を社内で育てていこうと思っています。
ゴキゲンに楽しむことがPIVOT流成長のカギ
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約1か月、今年のルーキーたちを見てきて手ごたえは感じますか?
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嶋田さん
最初は課題の多さに驚いているようでしたが,最近は楽しんでいる雰囲気を感じます。また、この4週間で、研修タスクのスケジューリングを自分たちでできるようになってきました。7人の結束感も出てきて、いい感じだなと思っています。
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この研修を通して、ルーキーたちにどんな人材になってほしいですか?
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嶋田さん
「自立」ではなく「自律」した人になってほしいです。自分ひとりで立つのはあたりまえで、目標を自分で決めるとか、「社会にこういう還元をしたいから、クライアントにこういう提案をしよう」とか、意思を持って自分を律することができる人。そのために周りを巻き込んでチームビルディングしていけるような人に育つことを期待しています。
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PIVOT流ルーキー研修で伸びる人は、どんな人でしょうか。
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嶋田さん
まず、何でも楽しめる人。自分の楽しさを知っている人は、人の楽しさも理解できます。「ご機嫌」で何事にも取り組める人は、向いているんじゃないでしょうか。もうひとつは、論理性を大切にしている人です。現段階でロジカルである必要はないのですが、ものごとを組み立てることの大切さは理解している必要があるかなと思います。採用試験のなかでも、思考力テストを行っているのですが、ものごとの順番とか序列とか包含関係とか、ベン図的なイメージがちゃんとできているかどうか。これはストラクチャーやエンジニアリングにつながる能力で、私たちの仕事の核となる資質だと思います。
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