【観光業界DX座談会②】観光激戦時代!顧客に選ばれるホテル&観光施設のサイト戦略とは?
2024.3.07 (更新日 2024.3.08)
こんにちは。PIVOTコラム編集部の大場です!
前回好評をいただいた「観光業界DX座談会」、本日は第2回をお届けします。
今回登場するのは、ホテル公式サイトと観光施設である水族館の公式サイトに携わってきたこちらの4名。インバウンド回復で需要が高まるホテル&観光スポットを、デジタル領域でサポートしてきた経験を、ざっくばらんに語っていただきます!
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田中 未来
PM/ディレクター
観光関連では水族館やホテルサイトのプロジェクトに携わる。
鋭い観察力を活かしてクライアントのニーズの掘り起こしから課題解決まで、クライアントのビジネス目標に沿った提案に定評あり。
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田丸 千恵
PM/ディレクター
ホテル、リゾート関連のプロジェクトを担当。
多岐にわたる業界のプロジェクトを歴任、経験に基づく“寄り添い力”でクライアントの思いを形に変えます。 -
半田 樹里
アカウント
アカウントとして多岐にわたる案件に関わる。
クライアント視点を大切に、持ち前のパワフルさと巻き込み力で社内外からの信頼も厚い。
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河村 恵実
アートディレクター/UIデザイナー
プロジェクトにまつわる事は自ら徹底的に調査・検証を行い、デザインに反映させていくスタイルを貫く。観光サイトにおいても実際に訪問をして、現地の人たちや町の雰囲気を体感し魅力を探求。
もくじ
コンセプトを深掘りして、デザインで体現する
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今回は、ホテルや観光スポットの公式サイトの構築に関わったメンバーにお越しいただきました。それぞれ、担当したプロジェクトを教えていただけますか?
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田丸
私は現在、ホテルブランドサイトの運用・保守対応を担当しています。一昨年に、ブランド丸ごとのリニューアルを行った際は、PM、ディレクターとして携わりました。
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半田
田丸さんが担当されているホテルブランドの、営業アカウントとして参画していました。
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田中
現在は手を離れていますが、過去に2つの水族館の運営と、サイトリニューアル、ティザーサイトの制作をPM兼ディレクターとして担当しました。
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ホテルブランドサイトのリニューアルでは、コンペが行われたとお聞きしました。コンペでは、どういった点が評価されたとお考えですか?
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田丸
リニューアルの目的は、「ホテルのコンセプトを明確に打ち出したい」というものでした。
また、デザインをブラッシュアップして、グレード感を出したい、というご要望もありました。コンセプトを整理して訴求ポイントを絞りきちんと言語化できていたことが選んでいただけた理由かなと感じています。
宿泊客の方にとっても、よりホテルの特徴がわかりやすく、納得感を持って選んでいただけるようなつくりを心がけました。
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半田
リニューアル前のサイトでは、朝食が充実している、と言う点がコンセプトのメインだったのですが、ブランド全体のポテンシャルを考えたときに、泊まるだけにとどまらない新たな価値を提供できると思いました。
折しもコロナ禍でホテルの使い方も多様化していたなか、コンセプトやメッセージを再考した、その提案を気に入っていただけたのかなと思います。
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田中
水族館の場合は、どちらかと言うと、すでに持っているコンセプトをいかにデザインに落とし込んでいくか、ということを意識していました。スタッフさんに話を聞くと、やっぱりおさかな愛がすごい(笑)。
さらに館のコンセプトをすごく大切にしているんだな、ということがひしひしと伝わってきて、その気持ちに応えられる提案にしたいな、と思いました。私は2つ別の水族館を担当したのですが、どちらもコンセプトはまったく別ですし、規模も展示内容も、価格帯も異なるので、デザインも全然違うものになります。
同じ業態だから、同じように作ればいい、とはなりません。
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田丸
そうですよね。同じ会社が運営するホテルでも、ブランドによってデザインは全く異なります。
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田中
以前PIVOTで、同系列の2つのホテルのサイトリニューアルを担当したことがあったのですが、それぞれデザインを差別化して、ブランドコンセプトをより明確に体現できたと思います。
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デザイン上で気を付けている点はありますか?
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田丸
ホテルの場合は、クライアント様から写真についてのご要望がすごく多いです。
写真を大きくたくさん見せたい、というご要望ですね。一方で、表に出しておきたい情報も多くて、機能性とビジュアルが両立するような提案をいつも心がけています。
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半田
旅行サイトから予約するユーザーでも、一度はホテル公式サイトを訪れて写真を確認する、という導線があるそうです。
旅行サイトの写真では、それほど大きな写真は見られないので、どうしても公式サイトではきれいな写真を!というご要望が強くなりますよね。
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田丸
あとは、トリミングひとつでも訴求力が変わるので、そこはデザイナーさんに頑張ってもらっています(笑)
インバウンド対応は臨機応変に
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インバウンドの回復で、国内ホテルや観光スポットも外国人観光客への対応が必要になるかと思いますが、その点はいかがですか?
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田丸
一律にすべてのサイトで対応する、ということではなく地域性も大きいのかなと思います。
例えば、複数拠点を持つホテル運営会社さんでも、すべてに導入するのではなく、例えば外国人観光客が多い札幌を重点的に対応しよう…とか。言語も、多いところは日・英・簡体字・繁体字・ハングル…とありますが、いらっしゃるお客様の傾向で言語数も決まっていくのかな、と。
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河村
デザイン面で言えば、トップのビジュアルに使う写真に外国の方が写っているものを選んでいるので、海外の方も行ってみようかな?という雰囲気がでているのではと思っています。
同時に、ホテル自体が持っている伝統と歴史の重みも表現する必要があるので、ビジュアル選定はバランス感が必要ですね。
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田中
あとは当たり前と言えば当たり前ですが、スマートフォンでの快適な閲覧環境にも気を遣っています。
インバウンド、というか旅行客の方はスマートフォンでサイトを閲覧することが多くなりますから。
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田丸
きれいで大きな写真を使いたい、というご要望が強いので、うっとりするような動画も見せたいところですけど。
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半田
その分、使う写真には本当にこだわっていますよね!
ホテル&観光業におけるDX推進
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今後、観光業におけるデジタル領域はどのように変わっていくと思いますか?
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田中
第1回の内容と重なるのですが、いかにウェブ担当者さんのオペレーションコストを下げて生産効率を上げていくか、と言う点はキーポイントになると思います。
ホテルや観光施設にはほとんどの場合、情報担当者様、ウェブ担当者様がいらっしゃるので、PIVOTの役割としては、業務効率が上がるようなCMSの設計であったり、わかりやすいマニュアルづくりだったりするでしょう。
ホテルや観光施設は、万一の災害やトラブルの際にすばやく情報を発信することが求められるので、運用をPIVOT側で引き受けるよりは、先方で情報を更新できる状態にしておく方がwin-winになりますよね。
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田丸
例えば私が担当しているホテルブランドでは、トップのブランドサイトの下に各拠点別のページを配置しています。
本社の担当の方はすべての領域の編集・管理権を持ち、各拠点の方はそれぞれの領域のみ編集が可能、というように権限を分けておくことで、日常の運用もスムーズに行えます。
本件では、CMSにWordPressを使用しているのですが、緊急で全拠点のページにお知らせ配信が必要な場合、拠点ごとの日常更新の場合など、編集領域を整理してお渡ししました。拠点ごとの特色を打ち出しつつ情報は本社でコントロールできる、という構造になっています。
CMSの使いやすさは、それに関わる人数や権限の種類によっても変わりますから、クライアント様の業務フローをよく理解していないと効率的なものになりません。
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半田
ホテルでは、駐車場の空き状況をリアルタイムにお知らせしたい、などのニーズもありますよね。
日常的な運用でも、即時の情報発信ができるかどうかはクライアントの皆さんも気にされることです。
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河村
PIVOTでは、UIをきれいにつくるだけではなく、裏側にどういうデータを持っていて管理画面ではどのような入力が行われるかまでしっかり考えてセットで提供できます。
ユーザー目線と、編集される方の目線、両方を意識したプロダクトづくりがPIVOTの強みであり、ホテルや観光スポットのDX推進に寄与できるところかなと思います。
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ありがとうございました。
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