【はじめてのアプリ開発】アプリ発注で失敗しないコツ、教えます!

PIVOT Column 編集部 Member

2023.5.16 (更新日 2024.6.18)

こんにちは!PIVOT Column編集部です。いよいよ春らんまんの季節になりました…春と言えば、入社・人事異動の季節ですよね! 

 

なかには、これまでなじみのなかったデジタル部門に配属されて、「何から手を着けたらいいのかわからない!」とお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、初めてアプリ開発を担当される方向けに、最初に抑えておくべきポイントをまとめてみました。 

 

お話を伺ったのは、PIVOTのアプリ開発プロジェクトを牽引するおふたり、プロジェクトマネージャー(PM)の渡部和也さんと、テクニカルディレクターの小田暢哉さん。これまで数々のアプリ開発を手掛けてきたおふたりに、成功するアプリプロジェクトの特徴や、見落としがちな注意点をお聞きします! 

もくじ

失敗談、大歓迎です -はじめてのアプリ開発

- 今回は、初めてアプリ開発に携わる企業の担当者さんを対象に、アプリを発注する際のコツをお聞きしたいと思います。おふたりは、実際にクライアント企業様にお会いする機会も多いそうですが、どの段階からプロジェクトに参加するのですか? 

  • 渡部

    PIVOTでは、お声がけいただいた最初の打ち合わせから、PMの渡部と、技術者の小田が入ってお話を伺います。企画やデザイン面は渡部が、エンジニアリングの領域は小田が担当して、どんなご質問にもスピーディーに答えられるようにして臨んでいます。

アプリやシステム開発の経験が少ない方だと、要望をうまく伝えられるか、コミュニケーションに対する不安もあると思うのですが。

  • 渡部

    ファーストコンタクトの段階では、お互いの認識のすり合わせが目的なので、そんなに構えなくても大丈夫です。プロダクトの全容がわかるような資料があればありがたいですが、僕らもクライアント様のご要望を汲み取って想像するのは得意なところでもあるので、精緻な資料がなくても、やりたいことをざっくばらんにお話いただけたらと思います。 

ユーザーに見えている範囲以外、例えば、バックエンド(※1)や管理画面なども把握しておく必要があるのでしょうか?

  • 渡部

    やりたいことのイメージが明確にあれば、その点は我々の方でフォローできます。例えば、アプリならではの機能にプッシュ通知(※2)というのがありますが、全ユーザーに一斉に送るのと、性別や年齢、居住地などの属性でセグメントして送るのとでは、管理画面のつくりが違ってきますし、当然コストやスケジュールも変わってきます。プッシュ通知をどんな頻度で、どんなユーザーに送りたいのか、そのイメージの粒度が細かいほど、見積もりの精度も上がっていきます。

  • 小田

    あと、過去の失敗談とか、いま何に困っているのか、という情報ありがたいですね。 

     

    実際の事例で言うと、あるアプリ開発で、言語としてFlutter(※3)を採用したいと提案したところ、クライアント様からNGが出たんです。Flutterはクロスプラットフォーム開発(※4)が可能で、コスト面でもパフォーマンス面でも優れているのですが、よくよく話を聞いてみると、「過去に違うクロスプラットフォームで開発してうまくいかなかった」という理由が隠れていたりするんですね。

  • 渡部

    確かにかつてのクロスプラットフォームのフレームワークは、パフォーマンス面やOSアップデートへの対応スピードなどいくらかの課題がありましたものね。 

  • 小田

    Flutterなら各OSに対応する言語(※5)で書いたものとほとんど差がありません。OSの機能と密に連携する機能を実装するような場合においても、十分対応が可能す。 

  • 渡部

    技術的な話以外でも、体制や運用保守の観点でお困りのことがあれば、その点を重点的に解消するような提案できますし、不安に思っているところを、漠然としたイメージでも教えていただけるととても参考になりますね。 

スケジュールとコストの落とし穴 -はじめてのアプリ開発

- 次に、担当者の方が一番気になる「コスト」と「スケジュール」についてお聞きしたいのですが、スケジュール検討の際に、気を付けるべきことはありますか? 

  • 渡部

    あくまで一般論ですが、中規模程度のアプリ開発でリリースまで5~6か月程度見ておいていただける安心でしょうか。 

  • 小田

    見落とされがちなのは、「要件定義(※6)」と「検証(※7)」。例えば、全体が6か月のプロジェクトなら、要件定義に1~2か月、検証で1か月は見たいところです。

全体の半分が実際の開発作業以外なですね! 

  • 小田

    よく言われます(笑)。でも出来上がってから「思っていたのと違う!」とならないためには、要件定義の段階でしっかり揉んでおくことが必要ですし、あらゆるケースを想定した検証を行うことも、リリース後のトラブルを最小限に抑えるために欠かせない作業です。 

     

  • 渡部

    とは言え、既にリリース予定が決まっているケースもあると思いますから、機能に優先順位をつけて、段階リリースなども臨機応変に対応できるようにしています。

コスト面で、留意した方がよい点はありますか? 

  • 渡部

    それほど大きな費用ではないのですが、運用・保守のコストは見落とされがちかもしれません。アプリを世に出した以上、定期的にメンテナンスをしないと、思わぬエラーが発生することがあります。実際に、既存アプリの改修を依頼されたケースでは、メンテ不足のため、プログラムに手を入れられない…といったこともありました。 

    iOSもAndroidも、毎年秋ごろにOSのメジャーアップデート(※8)というイベントがあります。

    ば、iOS16で正常に動いていたアプリが、iOS17では画面の表示や動作に不具合が生じてしまう…といったことが想定されます。メジャーアップデートによってプロダクトがきちんと動くかの確認、それに伴う修正などの費用は事前に見積もっておいていただけたらと思います。 

  • 小田

    そのほかで大きな変数となり得るのは、管理系、バックエンド側の機能でしょうか。サービスの想定DAU、MAU(※9、※10が大きい場合は、相応のアクセス負荷に対応するインフラを構築する必要がありますから、アプリ自体は簡易なものでもコストは大きくなる傾向にあります。 

  • 渡部

    そうですね。管理画面も、オーダーメイドで作る場合にはやはりコストが重くなりがちです。スモールスタートをご希望であれば、手運用も視野に入れて考えていただけるといいかもしれません。例えば、iOSではレギュレーション上「カウント削除(登録したアカウント情報を削除する)機能を持たせる必要があるのですが、頻度が高くないのであれば、必要なときに我々に連絡いただいて、直接DBから削除する形でもいいわけです。手運用ベースで賄える部分は、必ずしも管理画面を作らなくてもいい、と考えていただけると、開発のスピード感も上がっていきます。

パートナー会社とのコミュニケーションで必要なこと -はじめてのアプリ開発

- なるほど。作らなくてよいものは作らない、という割り切りも大切なんですね。最後に、 渡部さんと小田さんが、クライアント様とのコミュニケーションで気を付けている点があれば、教えてください。 

  • 渡部

    アプリに対する悩み事があったときに、すぐに思い出してもらえる存在でありたいと思っています。極端な例になりますが、「フリマアプリを作りたい」というご相談をいただいた場合、僕はPIVOTではなく、そういったSaaS(※11)を提供している事業者さんをお勧めすると思います。もちろん、PIVOTに発注してもらうのが理想ですけど、発注に至らなくても「PIVOTのアプリチームの人」として覚えてもらえればそれは僕らにとってひとつのマイルストーンです。相談していただけたらなるべく「できません」がないようにしています 

  • 小田

    僕は、開発にあたっては常にユーザー目線で考えるようにしています。そこはいつも気にしているところで、クライアント様に対しても「ユーザー目線で考えるとこうです」という提案はぶらさないよう気を付けます。その方が、結果的にお互いの納得感が高まって、コンセンサスも取りやすい。実際に、そういうケースは多いです。 

  • 渡部

    いろいろお話しましたが、アプリ開発はこれが正解、というものはありません。クライアント様それぞれの状況や事業の成熟段階に応じて、オーダーメイドで提案を組み立てていくので、ぜひ、小さなことでもなんでも、聞かせていただけたら嬉しいですね。PIVOTはクライアント様との距離が近く、コミュニケーションが密なことが特長ですから、はじめてアプリ開発を担当される方でも、安心いただけるのではないかと思います。 

編集後記

最後までお読みいただきありがとうございました!

アプリ開発に関して、どんな些細なことでも構いませんので、どうぞお気軽にPIVOTへご相談ください。

 

渡部・小田をはじめ、アプリ開発のプロフェッショナルが対応させていただきます!

 

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▼お問い合わせはこちらからどうぞ!

https://pivot.jp/contact


 

※1 バックエンド:WEBサイトやアプリで直接ユーザーの目に触れる部分(フロントエンド)に対して、直接はユーザーの目に触れないサーバーサイドやデータベースのシステムのこと。

 

※2 プッシュ通知:アプリからのお知らせ。アプリ提供者が、ユーザーに対して任意のタイミングで送信できる。

 

※3 Flutter(フラッター): Googleが提供するスマートフォンのアプリ開発に特化したプラットフォーム。

 

※4 クロスプラットフォーム:異なるプラットフォーム上で、同じ仕様のアプリケーションを動かせるプログラム。ここではiOS、Androidの両方に対応するアプリを1ソースで実現できることを指す。

 

※5 各OSに対応する言語:iOSならObjective-CやSwift、AndroidならJavaやKotlin等が該当。クロスプラットフォーム開発以外では、iOS、Androidでそれぞれプログラムを書く必要がある。

 

※6 要件定義:本格的な開発工程の前段階で、必要な機能や要求を洗い出しまとめること。要件定義を資料にまとめた書類が「要件定義書」で、これに沿って開発を進めていく。

 

※7 検証:ここでは、作成したプログラムを実機上で動かし、想定した動きになっているか確かめる作業のこと。デバッグ。

 

※8 OSのメジャーアップデート:OSの提供元が実施する、新機能の追加や機能の変更などの大幅な改定のこと。

 

※9 DAU(デイリーアクティブユーザー):1日にサービスを利用するユーザーの数

 

※10 MAU(マンスリーアクティブユーザー):1か月でにサービスを利用するユーザーの数

 

※11 SaaS(サース):必要な機能をサービスとして利用できるようにしたソフトウェア。
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