【新卒リモートコラム 番外編】新卒研修鬼教官が語る『リモートワークネイティブ世代』への厳しいトレーニング

嶋田さん
嶋田 崇孝 Munetaka Shimada オーガナイザー

2020.6.17 (更新日 2024.11.20)

どうも、こんにちは。新卒新入社員(以降:ルーキー)のトレーナー“鬼教官”です。

 

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、4月2日から今年のルーキーには全てオンラインで研修を実施してきました。今も絶賛継続中で、今回はそのオンライン研修の振り返りをしていきます。

 

鬼教官が最も重要視しているのが “振り返り”活動です。

 

“リフレクションラーニング”と言って自らの行動を言語化して(時には可視化して)、何が問題かを確認する行動です。教育哲学者でもあるプラグマティズムを提唱していたジョン・デューイのアプローチを引用しています。

 

読者の皆さんは「内省」と「反省」の違いはご存知でしょうか?知らなければ鬼教官の厳しいトレーニングを受けてみると良いでしょう(笑)

 

社会全体がリモートワークに移行し、ビジネスの戦い方が大きく変わる環境変化のド真ん中。今年度の特徴はルーキーが全員『リモートワークネイティブ世代』。彼ら・彼女らにオンライン研修でもビシバシ!厳しいトレーニングの実態を一部ご紹介したいと思います。

 

 

 

①作戦=Planning

はじめに、どんな研修をやってきたのかご紹介します。

 

オンライン研修といってもまずは作戦を立てなければなりません。
プロジェクトマネジメントで言うところの「計画」です。研修の特徴は、ビジネス・デザイン・エンジニアリングの3領域を万遍なく学習できるように組んでいることです。

 

PIVOTでは、スペシャリティ(専門スキル)を磨き、スキルのクロスオーバーも目指してもらう人材を育成しており、このクロスオーバーがイノベーションを起こす鍵になってきます。ここまで手厚い研修トレーニングをしている企業はなかなかないと鬼教官は自負しています。

 

4月 ビジネスルール・PJマネジメント・ロジカルシンキング・デザインシンキング

5月 プログラミング研修(Linux, Apatch, MySQL, PHP)・社内プロジェクトワーク

6月 プロジェクトワーク(OJT)

 

では、いよいよここから『オンライン研修』をプロジェクトマネジメント的に語りながら解説していきましょう!ここからは鬼教官の厳しい口調で行かせて頂きます。

 

②Risk Management

4月1日入社式があるこの日だけ対面で会えるラストチャンス。

 

ここでは、今後の「オンライン研修」を滞りなく進める算段を1日で整えなければならない。パソコンが配布されたばかりのルーキーに対して、通信方法・連絡手段を確保し、Microsoft Teamsを立上げ全員が操作に慣れるところまで目視と号令確認。

 

社内では通信テスト・通話テスト(スピーカーやマイクテスト)を一人ひとり行わせ、明日から始まる自宅でのオンライン研修に備えた。

 

 

教訓:「仕事は全て出口から考えよ!」

どんな仕事も出口から考えておかなければならない。今回もなぜ、ここまで一つひとつの動作を点検するのかと言えば、明日から始まる自宅でのオンライン研修は孤独との戦いになるからである。トラブルが発生したら最後。戦場では孤立することが最もリスクである。

 

万が一通信トラブル、マシントラブルが発生してもいいように、社内の書庫から3冊持ち帰るように指示。トラブルが発生した時のプランBとして指示を行い、戦場へ送り出した。

 

③Cost(Quantity)

ルーキーは上京してきたばかりで自宅のインターネット施設は済んでおらず、ポケットWiFiやテザリングで急場を凌いでいる状況のため、業務用ポケットWiFiを渡し通信回線を確保。

 

しかし、想定外だったのは、オンライン研修は“映像をON”にすると莫大なデータ容量を喰ってしまう。痛恨のミス。ポケットWiFiの上限データ容量と戦う日々が始まる。

 

1日の平均データ使用量を記録したところ、多い時で10Gを越えた。映像は全員OFFで研修を実施。ルーキーのポケットWiFiのデータ残量を確認しながら研修を行うという講師泣かせの環境だったが、定量的に情報を把握。

 

仕事の基本はこの客観的な数字であり、戦場でも生き残れるものは、データや行動観察から読み取れる状況判断力でもある。すなわち…

 

教訓:「仕事は定量的に考えよ!」

PIVOTはITでクライアントのビジネスをサポートする企業であるために、自宅での高速回線は必須。当然、急いで光回線などの登録を促し、工事を急いでもらったのは言うまでもない。会社から支給された、在宅勤務支援手当金(一律3万円)はルーキーにとっても、大変役立ったはずだ。

 

④Delivery

学生を終えたばかりのルーキーはビジネスタイムがまだ体内時計に備わっていない。簡単に言えば時間に甘い。いや、ルーキーだけではない。読者の皆さんも時間に甘くないですか?

 

発言はビジネスに不要な感想が主であったり冗長的であったりもする。ビジネスは時間が勝負でもあることから、時間を意識するため毎日ブートキャンプのように「振り返り時間」を設けて訓練をしている。今日1日の気づきを、たった1分でまとめてもらう訓練だ。

 

1分に収めるためには、文字数で200文字程度に抑える必要があり、文章構造も自然に結論→理由となってくる。そうしないと1分に収めることができない。

 

毎日毎日、振り返り会でこのフィードバックを通して、時間あたりの生産性を意識するためにも結論から話すように訓練をしている。

 

 

教訓:「仕事は結論から発言し、理由は後で述べよ!」

これは、「リモートワーク」における、短く発言することに直結する。また、プロジェクトマネジメントでいうとことのデリバリーに該当する。

 

納期があることから、時間を逆算するための微分的なトレーニングでもある。
読者の皆さんも実際にやってみてほしい!

 

➄Quality

ある案件をルーキーに依頼したところ、依頼書指示書通りの作業を開始しはじめた。ルーキー自身が目指すクオリティに達しないので「ある案件の〆切を延ばしてほしい」という希望があったが、その意見は一蹴した。

 

ある案件とは期限のある旬のものであり、時間価値が最大の品質であり重要な価値であった。これに気づいてもらうため、厳しいフィードバックを行った。

 

「言われたことをこなすのはタスクだ!依頼者のその先にいる人のことを考えるのが仕事でありクオリティである。」

 

 

教訓:「仕事はWHYから考えよ!」

どんな案件でも、目的があり、目標がある。依頼者がいれば、その先の成果を待っている人がいる。案件の要求仕様の表層に書かれている条件を守れば仕事のゴールと思ってはいけない。

 

どんなクオリティにするのかは、自分のやりたいことではなく、目的・目標から逆算して初めて品質を定義することができる。実務を通じて、WHYから仕事を考えることができるようになったルーキーは最強の育成成果である。

 

 

このように、ルーキーの成長を表では厳しく、裏では優しく見守っている鬼教官であるが、まだまだ厳しい「オンライン研修」を続けようとしている…。(つづく…かもしれません)

 

 


 

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